サステナブルな農業とGAP認証の現状
2022年、一般財団法人 日本GAP協会の発表によれば、2025年3月末時点におけるJGAPおよびASIAGAPの認証農場は前年比7%増の6,750農場に達しました。その中でも、青果物の認証数は特に顕著で、前年から190件増えて2,963農場と、3年連続の増加を記録しました。この数値は、日本の農業がどれだけ進化しているかを物語っています。
GAPとは何か?
GAP(Good Agricultural Practices)は、持続可能な農業を実践するための指針を提供する制度です。日本の農業は高齢化や後継者不足、気候変動などの厳しい現実に直面しています が、それにもかかわらずGAP認証を取得する農家は増加しています。こうした取り組みは、未来の環境保護や食品安全を実現するための重要なステップと言えるでしょう。
青果物のGAP認証が増加した背景
青果物のGAP認証が増えている背景には、大手小売業や外食企業による青果物の調達需要の高まりがあります。特に生食される青果物は、GAPの認証によって食品安全リスクが低減されるため、企業側の関心も高まっています。また、持続可能な農業や人権の尊重といったGAPの理念も食品事業者に評価されています。これが認証数増加を更に後押ししています。
農業経営体数の減少と認証農場数の堅調な推移
農業経営体は減少傾向にありますが、GAP認証農場の数は逆に堅調に推移しています。農林水産省の統計によれば、全国の農業経営体数は、2014年の147万から2024年には88万に減少する見込みです。この中で、JGAPおよびASIAGAPの認証農場数は横ばいを維持しています。新しい農業経営の形が求められる中で、GAP認証は一つの解決策として注目されています。
都道府県別の認証農場の伸び
認証農場数が特に伸びたのは茨城県、埼玉県、青森県です。茨城県は前年比124.6%増、埼玉県は117.6%増という成長を遂げています。この地域では、食品事業者の需要に応じて販路の拡大が進んでおり、これが認証農場の増加に寄与していると言えるでしょう。
品目別の動向
青果物の品目別では、キャベツが最も多くの認証を受けていますが、急成長を遂げているのはブロッコリーです。ブロッコリーは前年に比べて126.7%増加し、その背景には消費者の需要の高まりや、農林水産省に「指定野菜」として選ばれたことが影響しています。このように、青果物の供給が年々充実してきていることは、GAP認証の効果を示す証左です。
日本GAP協会の取り組み
一般財団法人 日本GAP協会は、JGAPやASIAGAPの認証プログラムを開発し、日本国内での普及活動を行っています。食品安全や環境保全、労働安全、人権の尊重といった取り組みを支えることは、持続可能な農業の実現に大きく寄与します。また、2025年には大阪・関西万博や2027年の国際園芸博覧会でも認証が求められる見込みです。
まとめ
日本の農業は新たな挑戦の時代に突入しています。食品の安全性や持続可能性を追求するGAP認証の農場は、今後も増えていくことでしょう。この流れが、未来の農業を明るく照らす一助となることを期待しています。詳細データは日本GAP協会のウェブサイトでも確認できるので、ぜひチェックしてみてください。