「日本の発酵技術を世界へ」シンポジウムの開催
2025年11月16日、岡山大学の微生物インダストリー講座が、株式会社フジワラテクノアートとの共催でシンポジウム「日本の発酵技術を世界へ~麴菌と固体培養の本質に触れ、発酵が拓くみらいを考える~」を開催しました。会場となった岡山県医師会館三木記念ホールには、近隣の企業関係者や学生を含め、約500名が参加しました。
開会の挨拶と概要説明
シンポジウムは、岡山大学の那須保友学長とフジワラテクノアートの藤原加奈副社長の挨拶によって始まりました。続いて、微生物インダストリー講座の神崎浩教授が寄付講座やシンポジウムの内容について説明し、参加者に対して本日の目的を明確にしました。
基調講演と専門家の視点
次に、講演が行われました。最初はSAN-J International, Incの佐藤隆社長が「海外における麴発酵の用途拡大」について語り、発酵技術の国際的な需要や流通の未来を示唆しました。その後、東京大学の丸山潤一教授が「麴菌が秘める多様な機能をゲノムから視て拓く」と題し、固体培養の理解とその活用法についての知見を共有しました。
岡山大学からは原唯史助教が、「岡山大学微生物インダストリー講座の取り組みについて」発表を行いました。ここでは、研究の具体的な事例や、地域資源を活かした取り組みが紹介され、参加者に新たな視点を与えました。
総合討論の活況
講演が終わると、パネルディスカッションに移行しました。ここでは、佐藤氏、丸山教授に加え、東北大学の五味勝也教授と、フジワラテクノアートの狩山昌弘専務も参加。神崎教授がコーディネーターを務め、活発な議論が交わされました。この討論では、麴菌や固体培養の国内外における有用性や、今後のものづくりに対する期待が熱意を持って語られました。
未来への期待
シンポジウムの結びでは、岡山大学大学院環境生命自然科学研究科の森也寸志研究科長による閉会の挨拶が行われ、参加者には今後の産学官連携による新たなものづくりの進展が期待されることが強調されました。出席者は皆、発酵技術がもたらす可能性に大いに刺激を受け、その未来を模索し続ける意義を感じたことでしょう。
動画配信と地域貢献
シンポジウムの様子は、微生物インダストリー講座のYouTubeチャンネルでも配信されており、視聴者は過去のシンポジウムの動画も確認できます。興味のある方々はぜひチェックし、フィードバックを送ってほしいとの呼びかけもあったようです。
日本の発酵技術を世界に広めるため,岡山大学の取り組みを今後も注視し、地域とともに成長していくことが求められています。