カインズと東京都の新たな取り組み
埼玉県本庄市に本社を構える株式会社カインズは、2025年9月1日に東京都都市整備局との間で「雨水流出抑制に資するグリーンインフラモデル施設に関する協定」を締結しました。この協定を基に、東京都内のカインズ二店舗(青梅インター店と昭島店)に、雨水を貯留・浸透させる機能を持つ「雨庭」のモデル施設が設置されました。
雨庭の重要性
近年、集中豪雨による浸水被害が増加している東京都では、雨水流出抑制に向けた取り組みが急務とされています。東京都の『豪雨対策基本方針』に基づき、グリーンインフラの導入は重要視されています。雨庭はその代表的な手法であり、都市の防災力を高め、環境負荷を減らす役割を果たします。
雨庭とは、屋根や舗装面に降った雨水を一時的に貯め、徐々に地中へ浸透させる庭のことを指します。このシステムは、土壌の保水能力を高め、植物の健全な成長を促進するだけでなく、昆虫や小動物にとっての生息地を提供し、生物多様性の向上にも寄与します。また、雨水が土壌を通過する際に自然に浄化されるため、水質改善にも貢献します。これにより、都市環境の負荷が軽減されるのです。
モデル設置の目的
2025年12月、カインズの青梅インター店と昭島店に設置された雨庭モデルは、来店されるお客様がこの仕組みを実際に体験し、雨庭の価値について理解を深めることを目的としています。カインズは、東京都による効果の検証に協力しつつ、都市の防災力と環境価値の向上に貢献していく考えです。
さらに、カインズは、雨庭つくりに必要な資材(雨水タンクや植栽など)を取扱っており、モデル展示を通じて一般家庭への普及活動を強化していきます。この取り組みは、カインズにとって初の雨庭設置プロジェクトであり、さまざまな専門機関の協力を得て進めています。特に「(一財)世田谷トラストまちづくり」からは研修や看板制作の支援を受けており、法政大学の神谷博氏も研究指導として関わっています。
くみまち構想と地域貢献
このような活動は、カインズが掲げる「くみまち構想」の一環として位置づけられています。「まちのくらしをみんなでDIY。」という理念の下、カインズは地域の方々の声を聞き、共に事業を展開することで、地域社会の発展に寄与していくことを目指しています。店舗が地域のハブとなることで、困りごとや関心に対して柔軟に対応し、地域を活性化する一助となることを期待しています。
カインズは現在、29都道府県に262店舗を展開しており、「くらしDIY」をテーマに、日々価値ある商品・サービスを提供。親切心(Kindness)と創意工夫を大切にし、地域とのつながりを重視した店舗づくりを進めている企業です。今後は、さらなる店舗の展開とともに、より多くの地域で雨庭の普及を図ることで、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進します。