岡山大学が進める職員育成プログラムの詳細
国立大学法人岡山大学(岡山市北区)が、この度行った第1回大学職員向けのワークショップ「国の動向を読み解く力、今こそ身につけよう!」が話題を呼んでいます。これは、2025年9月16日と18日にかけて開催され、対面形式で行われました。中堅・若手の事務職員と技術職員を対象にし、他の大学からも40名以上が参加しました。
ワークショップの目的
このワークショップの目的は、大学職員の高度化を目指すことです。具体的には、国の政策や動向を理解し、学内施策に活かす能力を育てること、さらには先進的な取り組みを国に提案できる人材を育成することにあります。
開会の挨拶を担当したのは、研究機器の共用を推進するタスクフォースの阿部匡史部門長であり、松本尊道副部門長が「概算要求の仕組みを知ろう」と題した講演を行い、国の予算成立の流れなどを分かりやすく説明しました。これを受けて、参加者全員が少人数に分かれたグループディスカッションに参加しました。
グループワークの内容
グループディスカッションでは、文部科学省が公募事業を開始した際の大学側の動きについて意見を交わしました。「国の動向は把握できているが、具体的にどう行動すればよいのかわからない」という参加者の声が多く、実際の問題解決に向けた活発な議論が展開されました。
多くの若手・中堅職員が集まったこの場では、彼らの悩みや疑問を自由に発言できる環境を整えることが重視されました。部課長級の職員は陪席のみという形式を取り、真剣な議論が行われました。
教員中心からの脱却
これまでの大学法人経営は教員中心で行われてきましたが、今後は事務職員や技術職員にもマネジメントの役割を担ってもらうことを目指しています。岡山大学では、専門的な知識を持つ「ナレッジワーカー」が必要とされており、このワークショップはその取り組みの一環として実施されています。
さらに、岡山大学は文部科学省の「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に選ばれており、研究力強化と持続可能な地域貢献に力を入れています。この背景を踏まえて、職員は情報を知恵に変えて新しい価値を生み出すことが期待されています。
今後の展望
ワークショップは全4回予定されており、今後は国の政策や動向の情報収集方法や、学内施策への反映方法についても学んでいく予定です。これにより、岡山大学の職員がより適切に国の動向を読み解き、効果的な施策を提案できるようになることを目指しています。
那須保友学長の期待
岡山大学の那須保友学長は、「研究大学としての発展は教員だけでなく、全ての職員の協働によって成り立つ」と述べています。教員は教育・研究の専門家である一方で、経営に関しては知識が不足しているため、今回のワークショップはそのギャップを埋めるための重要なステップです。
岡山大学の取り組みに期待が高まります。今後も職員の能力を引き出すためのプログラムに注目していきたいです。