川口市に新たな農業革命！新聞印刷工場でのきくらげ栽培が始動

新聞印刷工場が新しい時代の農業に挑戦

埼玉県川口市に拠点を持つ東日印刷株式会社のグループ企業、毎日新聞首都圏センター（MSC）が、新たにきくらげの栽培事業を始動しました。この取り組みは、印刷業界のデジタル化が進み、新聞の部数が減少する中で、新聞文化を残すための新しい試みとして注目されています。

きくらげ栽培の背景とは？

国内におけるきくらげの生産者は少なく、現在、日本で流通しているきくらげの90%は中国からの輸入品です。農林水産省の調査によれば、日本国内のきくらげ生産率は10%程度とされ、国産生きくらげの希少性は高まっています。しかし、きくらげには健康に良い成分が豊富に含まれており、特にビタミンDの含有量は食品の中でもトップクラスです。さらに、貧血予防に役立つ鉄分や食物繊維、むくみを解消するカリウム、免疫力を高めるβグルカンなども豊富です。このため、近年「食べる漢方」としての価値が注目されています。

工場が持つ独自の生育環境

きくらげ栽培の提案は、工場内で働く社員からのものでした。きくらげの栽培には、安定した温度や湿度、そして酸素と水分が必要ですが、毎日新聞の印刷工場はこれらの条件を満たしています。特に、印刷の品質保持のために温湿度が管理されている工場内では、きくらげ栽培に最適な環境が整っています。昨年4月に開始されたテスト栽培では、肉厚で触感の良いきくらげが生産され、その成功を受けて本格的な事業開始が決定されました。

地域貢献の可能性

今後、MSCはきくらげを使った加工食品の開発とともに、オンライン販売を通じて販路の拡大を計画しています。また、地元の学校給食への供給や、地域の教育活動の一環としてのきくらげ採取体験の提供など、地域貢献を視野に入れたビジョンも描いています。新聞印刷工場が生み出す新しい形の農業が、どのように地域に根付いていくのか楽しみです。