埼玉県立川の博物館で『川でつながる森と人』展を開催
埼玉県秩父市に位置する埼玉県立川の博物館では、2025年の春に開催される第75回全国植樹祭に向けた応援事業として、特別展示『川でつながる森と人』を実施します。この展示は、全体を通じて荒川が人々の生活にどのように寄与してきたのかを示しています。
荒川と木材搬送の歴史
展示の目玉の一つは、平成8年に復元された鉄砲堰の模型です。この木組みのダムは、かつて秩父の山地で伐り出された木材を荒川の流れを利用して下流へ運ぶための重要な構造物でした。当時、運ばれた木材は筏に組まれて、東京の木場まで届けられました。現代でも、水を流す体験イベントを行っており、訪れる人々に当時の搬送方法をわかりやすく伝えています。
水がもたらす恵みと農業技術
また、荒川は単に木材を運ぶだけでなく、森から流れてくる土や養分も運搬します。下流に住む人々はこの肥沃な土を利用して農業を行い、農法「ドロツケ」を用いて生活を支えてきました。この内容は、現在同時開催中の春期企画展『麦の国さいたま』でも深く掘り下げられており、土の大切さが強調されています。
水源涵養保安林の役割
水源涵養保安林や、中津川に見る魚つき保安林の重要性も展示されています。ここでは、河川の流量を調整したり、生き物の生息環境を保つための林の役割が示されています。来館することで、こうした自然の恩恵についても実感できるでしょう。特に、リバーホールでは、土壌の断面を観察できる土壌標本が展示されています。
荒川の樹種とその利用
展示では、荒川流域で見られる樹種(シオジ、カエデなど)に触れ、それらを利用した郷土料理なども紹介されます。地域の食文化と自然との関連性を学ぶ貴重な機会です。
体験型セルフガイド『はなもく散歩』
さらに、博物館内には体験型のセルフガイド「はなもく散歩」が登場。QRコードを読み込んで樹木についての詳細を学びながら、敷地内を散策することができます。ウェブ上のコンテンツと連動し、視覚や聴覚を駆使した学びが体験できるのも魅力です。
開催概要
『川でつながる森と人』展は、2025年2月4日から6月22日まで開催されます。今回の展示は、第1展示室のスロープや蔵出しコーナーを利用して行われ、関連イベントも予定されています。特に、木を切ってみようや樹木ラリーなど、事前予約が必要なイベントもあり、多くの人々が参加できる機会を提供しています。
まとめ
占有展示だけでなく、体験型のイベントも豊富に用意された『川でつながる森と人』展。埼玉県立川の博物館で、自然環境と人々との関わりを体感し、学びの場を広げる貴重な機会を持ちましょう。興味を持った方は、ぜひ足を運んでみてください。