「グロースマネジャー」という新たな概念
2025年6月24日、一般社団法人プロティアン・キャリア協会が主催したオンラインイベント『グロースマネジャー:管理職の役割転換』のアーカイブ配信がスタートしました。このイベントでは、ソフトバンク株式会社の岩月優さんと法政大学の田中研之輔教授が、現代の管理職に求められる新たな役割やアプローチについてお話ししました。
管理職に求められる変化
従来の「管理する」という役割から、「成長を支援する」という姿勢への転換が求められている背景には、組織の多様化と職場環境の変化があります。岩月氏は「かつての経験則は通用しない」と語り、特に年上の部下や多様なバックグラウンドを持つメンバーが増える現代では、画一的な管理方法では成果を上げることが難しいと指摘しました。このような中で、管理職は部下一人ひとりの成長を支援する役割を果たすことが求められています。
“グロースマネジャー”の提唱
イベントの中で新たに提唱されたのが「グロースマネジャー」という概念です。これは、メンバーの価値観やキャリア観を理解し、成長を促すための具体的なアプローチを取る管理職のことです。岩月氏は、日々の1on1ミーティングを通じて対話を重視し、メンバーの成長意欲を引き出す伴走型の姿勢を強調しました。形式的な面談ではなく、真の対話によってメンバーの潜在能力を引き出すことが大切です。
管理職の役割転換の壁
「名選手、名監督にあらず」と言われるように、実際にプレイヤーとして優秀だった者が管理職に転向した際、期待通りの成果を出せない場合が少なくありません。岩月氏は自身の経験を通じて、この「役割転換の沼」から抜け出すための支援策として、新任管理職研修の必修化や、経験の異なるメンターシップ制度を挙げました。特にメンター制度は、新任の管理職が孤独感を感じず、本音で相談できる環境を整えるのに貢献しています。
データを活用した伴走マネジメント
ソフトバンクでは、管理職を任命したら終わりというわけではなく、継続的に成長を支援する体制を整備しています。その一環として、360度評価や組織サーベイを活用し、メンバー自身が課題を客観的に認識するための材料を提供しています。こうした仕組みを通じて、メンバー自らの成長意欲を引き出し、学びの機会をより効率的に提供することが可能となり、個々が自律的に成長できる環境が整いつつあります。
結論
このイベントは、未来の管理職にとって重要なテーマを扱った意義あるものでした。『グロースマネジャー:新任管理職のキャリア開発』という書籍にも注目が集まります。新しい時代の管理職がどのように変わっていくのか、その行く先を見守っていきたいと思います。アーカイブ視聴は
こちら。
この取り組みが、新任管理職やこれから管理職を目指す方々の参考になることを願っています。