パルラインが描く共生社会への道
国際協同組合年を迎える2025年に先駆けて、株式会社パルラインが新たに始めた「生活困窮者就労訓練事業」は、社会の中で多様な人々が活躍できる仕組みを提供することを目指しています。パルラインは、東京都江東区に本社を置く物流企業で、パルシステムグループの一員として主に宅配商品の仕分けを担当しています。この取り組みは、特に生活困窮者に対して就労の機会を提供するもので、彼らのスムーズな社会復帰を図るものです。
就労訓練事業の概要
今回パルラインが認定を受けたのは、埼玉県の熊谷センターと東京都八王子市にある八王子センター、南大沢センターの3つの拠点です。この事業は「生活困窮者自立支援法」に基づき、働くことが困難な方々に対して、業務内容や勤務形態を柔軟に設定し、少しずつ就労に向けた道筋を提供します。
就労には「非雇用型」と「雇用型」の2種類が用意されていますが、パルラインではまず「非雇用型」からスタート。これによって、心身の状態が不安定な方でも無理なく勤務しやすくなり、本人の希望に応じて勤務日数や時間を自由に選ぶことができます。そのため、急な欠勤や遅刻にも柔軟に対応し、一人一人が安心して働ける環境を整えています。
業務内容と配慮の仕組み
仕分け業務は入庫から始まり、商品の補充、仕分け後の箱の積み付けなど、詳細な作業が分かれています。このため、訓練者各自の特性や能力に応じた適切な業務を担当することができ、仕事の中で学びながら自信を持つことに繋がります。
非雇用型として勤務を希望する方々は、各拠点の行政や相談機関と連携し、心身の健康状態や感じている課題をしっかりと把握。また、本人との面談を行い、作業にあたる際に何か困ったことがあれば、即座に相談できる体制をとっています。
就労支援の未来へ
パルラインでは、将来的に就労を希望する方がそのまま雇用型に切り替えることも可能です。これによって、一般就労への移行を果たすために日々の経験や気づきを大切にし、積極的なサポートを続けていく計画です。また、長年就業していない方を受け入れている実績もあり、既に40名がこのプロジェクトで働いています。
特に2020年には、障がい者への理解を深めるためのマニュアルを社員全員に配布するなど、環境づくりに努め、社内資格「ジョブサポーター」を取得したスタッフが220人を超えるなど、広範囲なサポート網を形成しています。これにより、全体で3,400人以上の社員がいる中での取り組みとなっており、働く場所としての信頼性も高まっています。
地域づくりへのコミットメント
パルシステムグループは、今後も多様性を受け入れ、誰もが活躍できる地域づくりを推進します。私たちが目指すのは、特性を理解しあうことで成り立つ、安心して働き続けられる社会です。各種の取り組みを続けるこの企業が、地域社会にどのような影響を与えていくのか、今後の動きが大いに期待されます。