AIが導く共生社会の一歩 - ACDOORの役割
埼玉県川口市に拠点を持つRe Prime株式会社が提供する『ACDOOR(アクドア)』は、障がい者向けのグループホームと雇用をスムーズに結びつけるためのスカウト型マッチングAIサービスです。このサービスは、福祉業界初の試みとして、障がい者の住まいと職場を結ぶ新しい仕組みを実現しました。
日々高まる障がい者福祉へのニーズ
障がい者向けのグループホームの需要は年々増加しており、2023年の段階で約27万人が全国のグループホームに在所しています。一方で、空室があるにもかかわらずその情報が利用者に届かない現状や、適切な候補者が見つからない課題が深刻化しています。特に、情報収集や見学の調整には多くの時間と労力がかかり、いわゆる「検索疲れ」を招いています。これを解消するためには、利用者と施設の情報を効率的に結びつける仕組みが求められています。
さらに、障がい者雇用においては、多くの企業が法定雇用率の達成に苦慮しており、中小企業は特にその傾向が顕著です。月々の雇用費用や社会的なプレッシャーが重なり、「求人を出すこと自体が難しい」と感じる企業も増えています。ACDOORは、こうした非対称な情報環境をAI技術により解消し、双方にとって使いやすいマッチングを目指しています。
ACDOORの機能と特徴
ACDOORは、次の3つの機能を基盤としてさらなるマッチングを支援します。
1. 入居支援機能
利用希望者はLINEを通じて簡単に希望条件を登録できます。登録は無料で、住所や家賃、設備の希望を提示すると、施設側がそれに基づいてスカウトを行います。従来のように空室情報を更新する必要はなく、管理画面から候補者を簡単に検索しスカウトすることができます。これにより、より多くの利用者と施設との接点が生まれ、スムーズな入居決定が可能となります。
2. 雇用支援機能
企業が法定雇用率を満たすための“非公開型求人支援”を提供します。企業は自社に適した候補者像を登録することで、条件に見合った障がい者候補が自動的に表示され、チャットで直接アプローチが可能です。個人情報の管理も厳重に行われており、結果報酬型で初期費用は発生しないため、企業にとってもリスクが少なく導入しやすい設計となっています。
3. アセスメントシート簡単作成機能
障がい者が相談支援を受ける際に必要なアセスメントシートをLINEから簡単に作成できる機能です。簡単な質問に答えることで、エクセル形式のアセスメントシートを無料で作成できるため、相談支援をより円滑に受けられるようになります。
進む地域連携と安心の運用体制
今後、ACDOORは相談支援事業所や地方自治体との連携を強化し、地域単位での利活用を図る計画です。デリケートな情報を扱う福祉・雇用の現場においても、機密性に配慮した設計や運用体制を整備し、導入しやすくなるよう努めています。
代表の思い
「ACDOORは、障がい者と施設・企業の間の情報格差や文化の違いをテクノロジーで補い、より多くの人にとって自然で負担の少ない選択肢を増やすために創設されました」と代表取締役の坂井諒平氏は語ります。AIと人の思いやりを融合させ、障害福祉の課題や雇用機会の不足に果敢に挑む姿勢が感じられます。
ACDOORは、利用者、企業、そして障がい者の新たな未来を広げる鍵となるプラットフォームです。これを活用することで、共生社会の実現に向けた一歩を共に踏み出しましょう。