地方企業の人手不足を打破するSNS活用法
近年、地方における中小企業の人材不足が深刻な問題となっています。特に、従来の求人広告や人材紹介サービスでは応募が期待できず、採用活動が長期化するケースが多く見られます。そこで注目されているのが、SNSを駆使した新しい採用手法です。今回は、埼玉に本社を置く株式会社Omoitsukiの取り組みと、電気工事を営む株式会社くれよんの成功事例をご紹介します。
SNSによる“共感採用”の実践
Omoitsukiでは、SNSを用いて企業の想いや特徴を明確に発信することで、求職者とのマッチングを図っています。この取り組みの一環として、大阪府に本社を置く株式会社くれよんでは、SNS「X」(旧Twitter)を利用した採用戦略が功を奏しました。彼らは、企業の理念や働くスタッフのリアルな姿を発信することに重きを置き、フォロワー数の増加を第一の目的とはしませんでした。
狙いを定めた情報発信
くれよん社では、「不特定多数への発信」から、「自社の理念に共感してくれる一人への発信」へと方針を変更しました。日々の業務やスタッフの想いを丁寧に伝えることで、求職者に対するアプローチを強化しました。その結果、資格保有者が少なく採用が難しいとされる専門職の電気設備工事士を2名も採用することができました。
双方向のコミュニケーションが成功の鍵
Xを単なる告知ツールとして利用するのではなく、ユーザーとの双方向のコミュニケーションを重視することで、企業のブランド価値が高まりました。企業のアカウントが活発になると、リツイートやいいねが増えることで、他の求職者の目にも留まりやすくなり、自然な流れで採用応募が増加しました。このようなコミュニティ形成の成功が、企業にとっての信頼を生み出す重要な要素となったのです。
SNSによる副次的な効果
これまで採用に苦戦していたくれよん社は、SNSを通じて予期しない利益を得ることができました。採用活動の一環として発信を続けた結果、X経由での求人応募が増加しただけでなく、他企業からの業務提携やコラボレーションの依頼も受けるようになりました。このような副次的なメリットは、SNSを駆使することの新たな可能性を示しています。
時代は「共感」を求める
現在、「待遇より共感」の時代が到来しています。求職者たちは企業のビジョンや社風に共感し、その思いに共鳴することを重視しています。特に地方においては、自社の理念をしっかりと発信することで、適切な人材を引き寄せることが可能となります。Omoitsukiは、こうしたSNS採用の成功事例をもとに、地方中小企業の採用支援をさらに強化する方針です。
企業の思いをつなぐSNS支援
Omoitsukiの幸義一代表は「SNSを活用することで、求職者と企業の想いが繋がり、新しい採用の形が生まれています。今後も支援を強化していきます」とコメントしています。Omoitsukiは、今後もSNSを利用した採用支援を進め、地方企業の採用力を高めるための活動を続けていく所存です。
株式会社くれよんとOmoitsukiの概要
- 代表者:稲田 弘樹
- 所在地:大阪府富田林市
- 設立年:2016年
- 事業内容:電気工事業
- 社員数:24名
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公式ウェブサイト
- 代表者:幸 義一
- 所在地:埼玉県さいたま市
- 設立年:2021年
- 事業内容:SNS採用支援
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公式ウェブサイト
このように、SNSを巧みに活用することで、地方中小企業は人手不足の問題に立ち向かうことが可能です。今後もSNSを通じた新たな採用方法が注目されることでしょう。