介護の未来を見据えた第28回高齢者介護研究会開催
2024年11月21日、埼玉県さいたま市に本社を置く社会福祉法人元気村グループが主催する「第28回高齢者介護研究会」がオンラインで開催され、全国の介護施設が繋がりました。この研究会は、グループ内の優れた取り組みを紹介し、より良い介護の実現を目指す場となっています。
研究会の目的
本イベントの主な目的は、各介護施設での研究や取り組みを共有し、優秀な施設を表彰することにより、職員同士の知識向上や実践への活用を図ることです。介護の質を高めるための具体的な事例を共有することで、業界全体の生産性向上に寄与します。
研究発表・優秀施設表彰
研究会では、各施設が選定した現在の課題を解決するための研究結果を発表しました。審査基準は、研究過程の透明性から効果の確認、プレゼンテーションの質まで多岐にわたり、10項目が評価されました。その中から受賞施設が選ばれました。
最優秀施設に輝いたのは、埼玉県さいたま市の「ななさと翔裕館」です。彼らの『テーピングスマイルプロジェクト』では、機能訓練指導員が利用者一人ひとりに寄り添うことを重視し、テーピングを通じて顕著な成果を上げました。利用者の身体機能の継続的な測定とリハビリプランの実施が功を奏し、利用者の日常生活の質が向上しました。
優秀施設に選ばれた「蓮田ナーシングホーム翔裕園」と「しょうぶ翔裕園」も、利用者の生活の向上に寄与する独自のアプローチを行い、それぞれの成果を発表しました。
生産性向上への取り組み
もう一つの焦点は、生産性向上に向けた取り組みです。今回は、他の19施設が参加し、業務の効率化や労働改善の秘訣を共有しました。最優秀賞は「しょうぶ翔裕園」に授与され、生成AIを活用した業務効率化に成功したことが高く評価されました。業務時間の大幅な短縮が実現し、その結果生まれた時間が現場ケアの増加に繋がりました。
また、「かわぐち翔裕園」ではクロスシフト制を導入したことで、職員の負担軽減と業務効率化を同時に実現し、これも高く評価されました。介護業界の人手不足問題にも寄与する革新的な取り組みです。
外国籍職員によるスピーチコンテスト
外国籍職員によるスピーチコンテストもあり、参加者が「理想の介護」について自分の言葉で熱く語りました。最優秀賞にはミャンマー出身のヤダナー・ラインさんが選ばれ、彼女の夢は「笑顔」を介護現場に届けることだと述べました。
初心者でも理解しやすいプレゼンテーションが多く、各国の文化背景が介護の世界をどう変えるかも興味深いテーマとなりました。国際的な視点を持ち、今後の介護の在り方に新たな視点をもたらしてくれます。
基調講演
この研究会は、元気村グループの50周年を祝う記念すべきイベントでもあり、幸福学の専門家による基調講演も行われました。「幸せとは何か」という問いに対する深い洞察が参加者たちの心をつかみました。介護とは人の幸せに寄与する職業であることを再認識させられる内容でした。
最後に
今回の研究会は、介護の質を向上させるための実践的な取り組みがいかに重要であるかを示す貴重な機会となりました。社会福祉法人元気村グループは、今後も介護業界の発展に貢献し、職員と利用者、双方の笑顔を実現するために尽力していくことでしょう。