介護家族の声が示すおむつ使用の課題と解決策の模索

近年、超高齢社会の進行に伴い、介護の需要がますます高まる中、介護家族の経済的および心理的負担が問題視されています。株式会社エス･エム･エスが行った「おむつに関する意識調査」では、340名の介護家族と420名のケアマネジャーが参加し、実際の介護現場でのニュアンスが明らかになりました。

排泄介助がもたらす負担感

調査によると、昼夜を問わず排泄介助を行う介護家族の約3人に1人が強い負担感を抱えていることが分かりました。特に、夜間におけるおむつ交換は6割以上の介護家族が負担を感じ、これは睡眠の質にも影響を与える深刻な問題です。

負担感の主な要因として挙げられたのは「コスト負担」と「尿や便の漏れ」、さらには「においの問題」です。これらは介護環境に直接影響を与える要素であり、家族のストレスや経済的負担を増加させています。

おむつ選びの難しさ

おむつ導入にあたっての介護家族の最大の悩みは、「どのタイプのおむつが良いかわからない」というもので、これが55.1%の答えとなりました。このように、介護家族が情報を得ることの難しさは多くの人が直面している問題です。

さらに、ケアマネジャーからの提案に対する拒否感も無視できません。約34%のケアマネジャーは「おむつの必要性を被介護者に嫌がられたことがある」と答え、「恥ずかしい」「情けない」という心理的抵抗が多く、障壁となっていることが分かります。

デザインに対する期待

特に注目すべきは、ケアマネジャーの47%が「おむつらしくないデザイン」や「パッケージ」であれば、被介護者や家族の抵抗感を軽減できると回答した点です。しかし、実際の提案時には「吸収力」が最も重視されており、デザインについての言及はわずか5.7%でした。このため、機能性や必要性に重きを置きすぎている可能性があります。