岡山大学の大竹真紀子教授が国際的な賞を受賞
岡山大学高等先鋭研究院に所属する惑星物質研究所の大竹真紀子教授が、NASAの太陽系探査研究バーチャル研究所(SSERVI)が主催する「コラディーニ賞(Coradini Award)」を受賞しました。この受賞は、太陽系探査分野においての継続的な科学的成果が認められたもので、日本人として初の栄誉です。
大竹教授の研究業績
大竹教授は、JAXA(宇宙航空研究開発機構)において月探査機「かぐや」の観測機器開発を指揮し、さらには日本初の月面着陸に成功した小型月着陸実証機「SLIM」などの数多くの探査ミッションに関与しています。これまでに彼女が解析してきたデータは、月の起源や進化に関する重要な知見をもたらしてきました。
今回の受賞は、長年にわたり太陽系科学の発展に尽力してきた大竹教授の業績への評価であり、世界的な舞台での発表が期待されています。受賞の発表は、2025年7月22日から24日の期間にアメリカ・ニューメキシコ州で開催された「NASA探査科学フォーラム2025」にて行われました。
受賞の際のコメント
受賞式当日、大竹教授はオンラインでスピーチを行い、受賞の喜びを表明するとともに、今まで関わった全ての探査ミッションの関係者への感謝の意を表しました。また、将来的にインドと共同で行う予定の月極域探査機「LUPEX」ミッションへの期待を語り、月面での岩石採取を行う宇宙飛行士のサポートが自らの夢であるとも伝えています。
岡山大学の未来展望
岡山大学は、大竹教授の今後の更なる活躍に期待を寄せており、次世代の宇宙科学研究者の育成にも全力を尽くす方針です。地域に根ざしつつ、国際的にも評価される研究大学としての地位を確立し、さらなる研究の深化を目指しています。特に、研究大学としての特色を発揮しながら、岡山大学の取り組みを通じて地域の未来を共創する意義が問われています。
コラディーニ賞について
「コラディーニ賞」は、NASAが毎年各国の研究者に対し、太陽系探査において特に重要な貢献をした人物に贈られる国際的に権威のある賞です。この賞は、惑星科学の分野における長期的な業績を評価し、受賞者はその後の研究活動においても大変大きな影響を持つこととなります。
大竹教授の受賞は、岡山大学の研究活動が国際的に高く評価される一歩であると同時に、日本の宇宙科学研究の未来に向けた明るい展望を示しています。柔軟な発想と高度な専門性で、さらなる宇宙探査の進展に寄与することが期待されます。