新品種「彩の女神」と「彩の糸」誕生の背景
埼玉県茶業研究所は、北限の茶栽培地域という特性を生かし、良質で豊かな収穫が期待できる茶葉の育成に取り組んでいます。最近、埼玉県と茶系飲料大手メーカーの株式会社伊藤園が共同で、二つの新しい茶品種「彩の女神(さいのめがみ)」と「彩の糸(さいのいと)」の品種登録出願を行い、その内容が正式に公表されました。こうした出願が受理される過程を通じて、さらなるブランド価値の向上が期待されています。
埼玉県茶業研究所と伊藤園の取り組み
埼玉県茶業研究所は1947年から茶の品種育成に力を入れ、これまでに11品種を育成してきました。また、伊藤園は1976年からに「茶産地育成事業」に取り組み、生産者と連携し茶園の管理や品質向上を進めています。今回の「彩の女神」と「彩の糸」は、一般的な煎茶だけでなく、飲料製品向けにも適した晩生の品種として育成が進められました。
「彩の女神」の特徴
- - 極晩生で収量が非常に高い
- - お茶の色合いは濃緑色で、まろやかな味
「彩の女神」は、極晩生の特性があるため、他の茶品種に比べて収穫時期が遅れることが特徴です。それにより、独特の風味と高い収量を実現しています。
「彩の糸」の特徴
- - 晩生で収量が高い
- - 病害虫に強く、化学農薬を減らして栽培が可能
- - 穏やかな香りで飲みやすい味わい
「彩の糸」は、晩生の特性を持ちながら、新たに病害虫にも強い性質を持っています。このため、化学農薬の使用量を減らしつつ、栽培が可能となり、さらには輸出市場にも対応しやすい点が魅力です。
品種名の由来
「彩の女神」は、埼玉県(彩の国)の育成地と伊藤園の生産拠点(静岡県)である「女神」が協力して名付けられたもので、優しい香味で茶業界を見守ってくれる存在となることが期待されています。
また、「彩の糸」は、埼玉県の色彩と伊藤園の「いと(うえん)」の二つの要素からインスパイアを受けた命名です。
今後の展望と普及の期待
今後、埼玉県内の茶園及び伊藤園の契約栽培農園を中心に苗木が植え付けられる予定で、これにより「お~いお茶」の製品原料として使用されることを目指しています。また、これらの品種が県外にも普及することにより、狭山茶の知名度向上が期待されています。
埼玉県茶業研究所は、品種選定や煎茶向けの茶品質評価に力を注ぎ、伊藤園は地域適応性評価及び飲料向け茶品質評価を担うことで、それぞれの役割を果たしています。
お問い合わせ先
品種特性に関しては、埼玉県農林部茶業研究所・茶業技術研究担当まで。電話番号は04-2936-1352です。
伊藤園に関するお問い合わせは、株式会社伊藤園の客室相談室へどうぞ。電話番号0800-100-1100です。
埼玉発の新たな茶品種「彩の女神」と「彩の糸」。今後ますますその動向に注目が集まりそうです。