口腔細菌とGVHD研究
2025-01-26 00:00:33

岡山大学が発表した口腔内細菌とGVHDの関連性研究の成果

岡山大学が発見した口腔内細菌とGVHDの新たな関係



国立大学法人岡山大学は、近年、口腔内細菌叢が慢性移植片対宿主病(GVHD)の発症に重要な役割を果たすことを明らかにしました。この研究は、医学部血液・腫瘍・呼吸器内科の神原由依客員研究員と藤原英晃講師率いる研究グループによって進められました。

研究の背景と概要


同種造血細胞移植後、GVHDはしばしば発生し、移植患者の治療に大きな影響を与えます。移植患者において、口腔内の細菌叢の乱れがGVHDの悪化に関与することが示唆されていましたが、具体的なメカニズムは未だ解明されていませんでした。今回の研究は、臨床データとマウス実験を通じて、この関連性を立証したものです。

研究チームは、まず移植患者の口腔内細菌叢を詳細に解析しました。その結果、特定の病原細菌の増殖がGVHDの発症や進行に関わっていることが示されました。また、マウスモデルを用いた実験では、口腔内で増殖した病原細菌がリンパ節や腸管へ移行し、全身の免疫応答に影響を与えることが確認されました。

新しい治療法の可能性


この研究の重要なポイントは、口腔内の細菌叢をコントロールすることで慢性GVHDを予防・治療する新たなアプローチが期待できる点です。従来の治療法では免疫抑制剤への依存が高く、患者にとっての負担も大きいのですが、研究チームは抗生剤軟膏や適切な口腔ケアによってGVHDを軽減する方法が有望であるとしています。これにより、患者の生活の質を向上させることができると期待されています。

研究者からのコメント


研究を進める中で、神原由依客員研究員は「移植患者の福祉を考え、研究に取り組んできました。今回の成果が実際に患者へ還元される日を目指します」と語りました。また、藤原英晃講師は「この研究がGVHDで苦しむ患者を助ける一助となれるよう、これからも臨床へフィードバックしていきたい」と述べています。

今後の展望


本研究は、2024年12月に米国の血液学専門誌「Blood」に発表されました。今後の臨床応用が待たれます。この研究の進展により、移植後の患者に対する新たな治療アプローチが広がることが期待されており、過度な免疫抑制剤の依存を減らすことができるかもしれません。

岡山大学の研究活動は、患者への還元を目指したものとなっており、今後も期待される成果をもたらすことが大いに期待されます。


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