新技術で進化するウレタン樹脂成形
埼玉県熊谷市に本社を置くワエストロ株式会社が、ウレタン樹脂成形業界に革命をもたらす新しい技術「新・離型剤レス製法」を発表しました。この技術は、従来の離型剤を使用せず、熱可塑性エラストマーを金型に塗布することで、ウレタン樹脂を効率的に成形できるというものです。
新たな特許取得
ワエストロ株式会社は、既存の「離型剤レス製法」のブラッシュアップ版として、特許第7703262号を取得しました。この新技術により、従来は難しかった軟質ウレタン樹脂の成形においても、表面をエラストマーでコーティングし、金型メンテナンスの必要をなくすことが可能になります。これにより、後工程の削減とコストダウンを一挙に達成することができます。
離型剤の2つの悩み
ウレタン樹脂はその強力な接着性のため、成形プロセスにおいて離型剤を用いることが一般的です。しかし、離型剤には主に二つのデメリットがあります。ひとつは、製品表面に離型剤が残留するために、後工程でそれを除去する手間がかかること。もうひとつは、金型表面に離型剤が蓄積され、定期的なメンテナンスが必要になる点です。
硬質ウレタンとの違い
ワエストロが開発した既存の「離型剤レス製法」では、ABS樹脂を用いていたため、硬質ウレタンに特化した技術でした。しかし、ABS樹脂には伸びの特性がないため、軟質ウレタンには追随できませんでした。この制約を克服するために、同社は新技術の開発に取り組んできたのです。
幅広い応用が期待される
新たに取得した特許によって、ウレタン樹脂の成形は自動車や二輪車の量産向けだけでなく、医療機器、介護福祉用品、産業機械、住宅設備などの分野にも応用できる期待が高まっています。これにより、さまざまなものづくりの現場での生産性向上に寄与するでしょう。
今後の展望
ワエストロ株式会社は、今後この「新・離型剤レス製法」を基に、さらなる技術開発に取り組む概念を持っています。インモールドコート成形において、離型剤の塗布とモールドコート塗布という二つの工程を1回に集約し、生産効率の向上を目指します。この技術の進展は、ウレタン樹脂だけでなく、関連産業全体に新たな時代をもたらすことが予想されます。
お問い合わせ
詳細についてのお問い合わせは、ワエストロ株式会社の公式ホームページにある「お問い合わせフォーム」から受け付けています。技術に関する質問や相談についても、どうぞお気軽にアクセスしてください。これからのウレタン樹脂成形の未来が、ワエストロ株式会社によって一層明るくなる期待があります。