岡山大学の新たな発見
地球の深部にはさまざまな謎が隠れていますが、その一部が岡山大学によって解き明かされました。高等先鋭研究院に所属する惑星物質研究所の石井貴之准教授と、国際的な研究チームは、沈み込むプレート内部の環境を再現した実験を行い、プレート内での水の移動が深発地震に深く関与していることを確認しました。この成果は2026年7月に国際的な科学誌『Nature Communications』に発表されています。
深発地震のメカニズム
長らく科学者たちを悩ませてきた深発地震の原因。これまで、400〜700 kmの深さで起こるこれらの巨大な地震のメカニズムは不明でしたが、研究によりプレート内部の構造と水分布の関連性が明らかになりました。実験では、プレートの中心部が低温であり、水を貯える特殊な鉱物が水を蓄える一方、周囲の高温部では逆に水分が脱水され、その水が主要鉱物へ移動していました。このように、岩石内での水の動きによって、プレート内部に「水の濃い部分」と「薄い部分」が形成されることが確認されたのです。
プレートのダイナミクス
特に注目されたのは、660 km付近でのプレートの動きと深発地震の発生位置の関係です。プレート内部における水の分布の違いが、これらの現象を説明する鍵となりました。また、最深部においては、水を保持していた鉱物が急激に分解し、水を放出する「脱水反応」が地震の引き金となる可能性も示唆されています。
研究者の声
石井准教授は、今回の研究について「非常に多くの試行錯誤の結果、この仮説を証明することができました。AIの発展により答えをすぐに得ることができる時代ですが、研究のプロセスには独特の面白さがあります。時間をかけて考えることでしか得られない洞察があり、その経験が研究の真髄だと感じています」と語ります。
今後の展望
この研究は、地球内部の水循環や深発地震の理解を実質的に進めるものです。これにより、地震予知やプレートテクトニクスに関する新しい知見が得られることが期待されています。また、岡山大学の惑星物質研究所は、今後も持続的に研究を進め、地球科学の発展に寄与していくことでしょう。
参考情報
研究論文は以下のリンクに公開されています。
岡山大学のこの重要な発見が、より安全な未来のための地震研究に寄与することを願っています。