神戸市における高度な下水道管調査
神戸市で、株式会社Liberawareが開発した空中ドローン「IBIS2」を活用した下水道管の調査が実施され、成功を収めました。これにより、今後の安全で効率的な点検モデルの確立が期待されています。この調査は、2025年5月に予定されている北九州市内での下水道管調査に続く重要な事例となります。
調査の背景
国土交通省のデータによると、全国の下水道管渠の総延長は約50万kmにも達し、そのうち約4万kmは標準耐用年数を超えています。近年、埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故を受けて、国土交通省は7都府県に緊急点検を要請するなど、老朽化した下水道管の点検体制の構築が求められています。これを受けて神戸市も、従来の調査手法では難しい環境下での調査を行う必要性に迫られました。
IBIS2によるドローン調査
今回の調査は、口径1,800mmで水位約50cmの汚水管を対象に実施されました。作業員が立ち入ることが困難な場所でも、「IBIS2」を飛ばすことで、安全に調査が行えます。ドローンは、降雨の中であっても1日で約600mにわたる撮影を成功させました。このようにドローンを駆使した調査は、従来の目視やテレビカメラに比べ、より多くの情報を効率的に取得することができます。
神戸市と協力業者との連携
本調査は、神戸市の発注によるもので、大幸道路管理が協力業者としてプロセスの構築や現場支援を行いました。一方、株式会社Liberawareはドローンの開発からオペレーションに至るまでを担当し、調査結果を神戸市へ提出する役割を果たしました。このような連携により、下水道管の状況把握がより迅速に進むことが期待されています。
今後の展望
この調査は、IBIS2のさらなる活用事例が蓄積されることで、国や自治体における老朽化したインフラの点検において新たな標準的な活用モデルを確立する道を開くこととなるでしょう。ライフサイクルコストの削減、安全性の向上が図られる中、IBISの運用標準化は国土強靭化のための新たな技術として注目されています。
株式会社Liberawareのプロフィール
株式会社Liberawareは、千葉県に本社を構え、「誰もが安全な社会を作る」ことをミッションに掲げています。狭くて危険な空間での点検に特化したドローンを開発し、その技術を用いてインフラ点検を行っています。「見えないリスクを可視化する」ことをビジョンに、安全な社会の実現に向けた取り組みを進めています。今後も、ハードウェアとソフトウェアの両面での改良を続け、パートナーと協力しながら成長を目指していく方針です。