岡山大学が国連大学でAI教育の最前線を発表
2025年9月2日、岡山大学の香田将英准教授と横井篤文副学長が、国連大学サステイナビリティ高等研究所で開催された「高等教育における人間中心のAI活用セミナー」に参加し、最先端のAIを利用した教育の実例を紹介しました。このセミナーは、アジア開発銀行の専門能力開発プログラムの一環として行われ、アジア各国から教育関係者が集まり、AIの活用の可能性や課題について意見を交わしました。
セミナーでは、AI技術の急速な進化に伴い、教育分野でもその利活用が進んでいることが強調されました。香田准教授は、「AI-simulated patient interactions」と題した発表を行い、AIが患者役を演じることで医学生が医療の面接に必要な技術を学ぶシステムを紹介しました。AIと共に行う医療面接のシミュレーションは、学生に安全な学習環境を提供すると同時に、患者の視点から学ぶことで共感力を育成する効果も期待されています。
また、香田准教授は、学生同士が協力しAIと対話することで多面的な学びを促進できる可能性についても触れました。さらに、発表の中では参加者が実際にデモを体験する機会が設けられ、参加者からは学生が安心して学ぶことのできる環境づくりへの期待が寄せられました。
一方、横井副学長はアジアの教育関係者との対話セッションに参加し、岡山大学でのAI技術の活用状況やその方針について説明しました。ユネスコが推進している倫理的かつ包摂的なAIの実現に向けた世界的な指針作りについても言及し、高等教育システムへのAI統合の重要性を強調しました。
セミナーでは、先進国で開発されるAIが文化的に中立でない可能性やデジタル主権と文化的正義に関する問題も取り上げられました。アジア各国が自らの文化やニーズに基づいたAI開発を進める意義が強調され、国際的な協力と共同研究の必要性についても活発な意見交換が行われました。
今後、岡山大学は地域社会や国際社会との知見を共有しながら、AIを活用した教育活動をさらに発展させることを目指していきます。この取り組みにより、倫理的で包摂的な技術革新を進め、地域と地球の未来を共創することに貢献することが期待されています。
岡山大学の活動にご注目ください。これからも、地域中核・特色ある研究大学として、進化する教育の在り方を追求していきます。