岡山大学藤原教授が「松岡良明賞」を受賞
2025年9月8日、岡山大学の藤原俊義教授が山陽新聞社会事業団より「第30回松岡良明賞」を受賞しました。この賞は、がん撲滅に尽力した個人や団体への表彰を目的としています。表彰式では山陽新聞社の桑原功理事長から賞状と賞金が授与され、松田正巳会長や江見肇専務理事も出席し、藤原教授の顕著な業績を称えました。
藤原教授は岡山大学病院にて消化器外科学を担当しており、がん細胞に特異的に作用するウイルス製剤「テロメライシン」の開発に取り組んでいます。このウイルス製剤は、今年内に食道がん治療薬としての薬事承認申請を目指しており、手術や抗がん剤治療が難しい患者にとって新たな治療選択肢となることが期待されています。
受賞に際し、藤原教授は「今回の受賞を励みに、今後も研究を続けていくことを決意しています」と述べ、自らの研究ががん患者に希望をもたらすことを願っています。また、現在次世代のウイルス製剤の開発も進めており、すい臓がん治療を目的とした臨床試験を開始する準備が整いつつあります。この試みは、岡山大学の研究戦略の一環として、地域に根ざした特色ある研究大学を目指して進められています。
岡山大学におけるがん治療の進展
岡山大学の研究チームはがんに関連する多岐にわたる研究を行っており、特に藤原教授のチームでは腫瘍融解ウイルス製剤の新たな可能性が追求されています。現在、局所投与から全身投与への適応拡大に向けた研究が行われ、膵臓がん治療の新たな手法が開発されることが期待されています。このような先進的な研究活動は、将来的に多くのがん患者に貢献することでしょう。
岡山大学は、地域社会に貢献することを掲げているだけでなく、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成にも力を入れています。研究の成果が臨床現場での実用化へとつながることで、地域の医療の質向上にも寄与することを目指しています。
地域との連携
さらに、岡山大学では地域の医療機関や研究機関との連携を強化し、情報の共有や共同研究も進めています。これにより、岡山大学が誇る医療技術や研究成果を地域全体に広げ、患者への新しい治療方法を提供できるよう努めています。
藤原教授の研究と岡山大学の取り組みには、今後も多くの期待が寄せられています。がん撲滅に向けた彼の努力は、将来的に多くの患者の笑顔につながることを願うばかりです。