血圧測定の精度を向上させた特別養護老人ホームの取り組み
埼玉県川口市にある特別養護老人ホーム「かわぐち翔裕園」では、血圧測定の精度向上と業務効率化を実現するための研究が行われました。この取り組みは、社会福祉法人元気村グループが運営するもので、多くの利用者に対しての高度な介護サービスを提供しています。
背景と現場の課題
介護現場では、日常的に利用者の血圧を測定することが求められます。特に、入浴前後や起床時・就寝前には、看護職員のみならず介護職員もこの業務を担うため、多くの時間が必要とされます。このため、測定が負担となり、効率的な業務運営が難しいという課題がありました。従来の測定法では、特に手首式 Blood Pressure Monitor から上腕式へと複数回測定を行う場面が多く、結果として時間がかかり過ぎていました。このような中、「手首より上腕が正しい」という認識があったものの、その真偽を検証する機会はほとんどありませんでした。
研究の目的と方法
今回の研究では、「看護師による測定値に最も近い機器を特定する」という目的のもとに、以下の5つの機器を比較検証しました。
- - 手首式血圧計
- - 上腕式血圧計
- - スマートバンド
- - 体表計
- - 看護師による測定(基準値)
同一条件で5日間の連続検証を行い、各機器の精度と業務負担を評価しました。
検証結果を踏まえた新たな測定フロー
5日間の検証の結果、スマートバンドと手首式では誤差が大きく、精度に欠けると判明しました。そのため、上腕式、体表計、および看護師による測定の3種類に絞り再度検証を実施したところ、体表計が看護師による測定に最も近い結果を示しました。体表計の優れた点は、測定時間が約10秒と短く、業務効率化の面でも大きなメリットを持っていました。
この新たな知見をもとに、かわぐち翔裕園は従来の測定フローを見直し、手首 → 上腕 → 看護師の流れから、体表計 → 看護師へと変更することを提案しました。この変更により、従来は血圧が安定しない際に約1分45秒を要していた測定が、体表計を活用することでわずか45秒に短縮される試算が出ました。想定では、血圧異常者が1日30名いる場合、月900分、年間で約10,800分(180時間)の業務削減が可能になるという効果が見込まれています。
体表計導入の成果と今後の課題
体表計の導入により、高い正確性と圧倒的な測定スピードが実証され、介護職員の業務負担が大幅に軽減されました。しかし一方で、利用環境に対する光の影響による測定誤差が生じる可能性があるため、適切な使用環境の整備も重要です。正確性の必要な場面では、従来の看護師による測定が依然重要となります。
まとめ
今回の研究を通じて、体表計の導入がもたらす業務負担軽減の可能性が示されました。今後は、血圧測定値に影響を与える要因のさらなる分析を行い、より安定した測定体制の構築に取り組むことが求められます。現場での小さな疑問を解決するこうした取り組みが、質の高い介護サービスの実現に繋がることを期待しています。
施設情報
- - 名称: 特別養護老人ホームかわぐち翔裕園
- - 電話: 048-290-7660
- - 所在地: 〒333-0824 埼玉県川口市赤芝新田114-1
- - 公式サイト
- - Instagram
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私たち社会福祉法人元気村グループは、埼玉県産業を基盤に、利用者の「生きがい」を追求し、「感動介護」を実現すべく、8つの社会福祉法人を展開しています。