日本シーム、循環型成長モデル推進の新たな一歩を踏み出す
埼玉県川口市に本社を構える日本シーム株式会社は、環境への配慮と持続可能な社会の実現を目指し、新たなプロジェクト「多品種プラスチックの再資源化を実証できるリサイクルテストセンターの新設」に取り組むことを発表しました。このプロジェクトは、同社が掲げる「2033年 売上高100億円ビジョン」の一環として、高度なリサイクル技術の実証と普及を図るものです。
100億宣言への採択について
日本シームは、独立行政法人中小企業基盤整備機構が実施する「100億宣言」に採択され、今後の成長戦略における重要なステップを踏み出しました。この取り組みは、国内外の廃プラスチック再資源化において、実際のスケールでの検証が可能な初の拠点として大きな期待を寄せられています。
リサイクルテストセンターの詳細
新設されるリサイクルテストセンターは、埼玉県越谷市に約3,000㎡の敷地面積を持ち、延べ床面積約2,000㎡の3階建て施設として予定されています。2026年秋に着工し、2027年秋には稼働を開始する見込みで、総投資額は約15億円を計画しています。このセンターでは廃プラスチックの「前処理」「中間処理」「最終処理」を一貫して実証できる環境が整備されます。
最新技術の導入
日本シームは、自社の技術力を生かし、約50台の最新の機器をセンターに導入します。これには破砕機、洗浄粉砕機、脱墨装置、選別機、押出機などが含まれ、特にAI選別技術や自動搬送システムを活用することで、再資源化の効率を向上させる狙いがあります。企業はこのセンターを利用して、設備導入前にコストや歩留まり、品質などを試算し、最適な処理フローを構築できるため、再生材の品質向上や廃棄物削減、リサイクル効率の最大化が実現可能です。
社会的課題の解決に向けた挑戦
代表取締役社長の木口達也氏は「今回の『100億宣言』採択は、当社の理念である“地球環境を守る機械づくり”と社会課題の解決に向けた挑戦が評価された結果」と語ります。そして「このセンターを通じて、国内外の企業が再資源化技術を検証し、新たな循環型産業の創造に貢献できることを期待しています」と述べました。
今後の展望
日本シームは、今後もリサイクル業界における取り組みを継続し、年間100件以上のテストを実施することを目指しています。また、国外企業からのテスト依頼にも対応し、プラスチックリサイクル設備の国際展開を進めることで、グローバルな循環資源ネットワークの形成に寄与する意向を示しています。
新設されるリサイクルテストセンターは、持続可能な社会の実現に向けた重要な拠点となることでしょう。日本シームの今後の展開に目が離せません。