災害時の聴覚障害者支援アプリ『D-HELO』登場!
国立大学法人岡山大学が新たに開発した緊急通知音振動変換アプリ『D-HELO(ディー・ヒーロー)』が、2025年3月27日に一般向けにリリースされました。このアプリは、Apple Watchを使用して聴覚障害者が緊急車両のサイレン音を認識できるように設計されています。音を振動やディスプレイの表示に変換して、ユーザーに迅速に通知を行うことが特徴です。
この開発は、岡山大学と情報技術開発株式会社(TDI)の共同プロジェクトで、特に聴覚障害者が直面する情報アクセスの壁を軽減することを目的としています。アプリは、2022年度に日本医療研究開発機構(AMED)の障害者対策総合研究開発事業の支援を受け、3年間の期間を経て実現しました。
アプリの特徴と目的
『D-HELO』は、特に災害時に聴覚障害者が重要な音情報を即座に受け取ることができるように開発されています。これにより、避難行動を適切なタイミングで行うことが可能となります。過去に岡山盲聴学校で発生した火災事件から、聴覚障害者が社会でより安全に暮らすためには迅速な情報が必要だとの認識が広がりました。アプリの開発は、このような痛ましい事故を二度と繰り返さないためでもあります。
このアプリの開発には、聴覚障害者との対話や実証実験を経て、感知精度やユーザー体験の向上が図られています。リリース前には、岩手県と岡山県で40名の聴覚障害者を対象とした実験が実施され、得られたフィードバックを基に積極的な改良が行われました。
今後の展望
2025年には、アプリのさらなる機能向上や利用者からの意見を反映したバージョンアップが予定されています。片岡准教授は、アプリの開発の背景にある思いを語り、「D-HELO」は聴覚障害者にとって安心で安全な生活をサポートするための一助となることを目指しています。」と述べています。
アプリの使用は無料で、公式サイトから簡単にダウンロード可能です。多くの方に利用してもらい、意見を反映することで、より良いものにしていく考えです。
結論
災害時の情報伝達に関する課題を解決するために『D-HELO』は開発され、その実用化に向けた実績を重ねています。岡山大学の取り組みが、より多くの聴覚障害者の生活を支え、安全で安心な社会の実現に寄与することを期待しています。
詳しくは、
『D-HELO』公式サイトをご覧ください。