川越市とマーケットエンタープライズが締結したリユース事業協定の背景と今後の展望

川越市がリユース事業に新たな風を吹き込む

埼玉県川越市と株式会社マーケットエンタープライズは、2025年10月6日にリユース事業に関する連携協定を締結しました。これは、地域課題の解決と環境に配慮した社会を実現することを目的とした重要な取り組みです。

リユース活動の背景

川越市では、これまでにも再生家具や自転車、さらには衣類や雑貨といったリユース品の頒布活動に取り組んでおり、地域住民と共にリユース文化を根付かせてきました。しかし、最近ではごみ処理費用の増加や市民へのリユース活動の浸透の難しさが課題になっていました。

一方で、マーケットエンタープライズは、リユース事業を中心にしたネット型事業を展開し、そのビジョンとして「持続可能な社会を実現する最適化商社」を掲げています。また、官民連携によるSDGs（持続可能な開発目標）への取り組みにも注力し、さまざまな地域との連携を図ってきました。これらの共通のビジョンが合致したことで、川越市との提携が実現しました。

おいくらプラットフォームの役割

今回の取り組みの基軸となる「おいくら」は、マーケットエンタープライズが提供するリユースプラットフォームです。不要品を売りたい人が査定を依頼すると、全国の加盟リユースショップに一括査定を依頼でき、買取価格を比較することが可能です。この簡便さと手軽さが、多くの利用者に支持されています。

2025年6月末時点で、約155万人が「おいくら」を通じて不要品の売却を行っており、これは非常に高い数字です。これにより、不要品が新たに再利用されることで、廃棄物の減少に貢献することが期待されています。

連携協定に盛り込まれた具体的な取組

川越市とマーケットエンタープライズ間の連携協定では、以下の取組が明記されています。

- リユース活動の推進を通じた循環型社会の形成
- 環境保全に向けた啓発及び共同推進
- それに関連する事業

これにより、川越市民はより身近にリユースの機会を得ることができ、自宅まで訪問しての出張買取サービスも利用可能となります。また、冷蔵庫や洗濯機などのリサイクル対象製品も、まだ使えるものであれば売却できるチャンスが提供されます。

期待される成果と今後の展望

川越市の公報によれば、川越市のホームページに「おいくら」の情報が掲載されることで、今後は市民が一括査定の申し込みを行いやすくなるとのことです。これにより、公共サービスの利用が促進され、市の費用負担がないという利点もあります。また、自分の不要品をリユースすることの重要性を市民が認識し、廃棄物削減への意識が高まることが期待されています。

川越市長の森田初恵氏とマーケットエンタープライズの小林泰士氏は、この連携によって循環型社会の形成に向けた取り組みが加速することを期待しています。特に、川越市出身の小林氏にとって、地元に貢献できることは喜びでもあります。マーケットエンタープライズは、今後も官民連携を深め、より広い地域で廃棄物削減を目指す活動を続けていく予定です。