埼玉の健食、過熱蒸煎機導入の背景
埼玉県富士見市に本社を持つASTRA FOOD PLAN株式会社は、フードテックベンチャーとして「サステナブルな社会の実現」を掲げています。この度、栃木県宇都宮市にある株式会社健食と協力し、野菜のアップサイクルに挑む「過熱蒸煎機」を導入しました。これは、食品の製造過程で発生する約3トンの野菜端材を利用し、無駄を減らす取り組みの一環です。
日本では食品ロスが問題視されていますが、その中には製造段階での「かくれフードロス」が大きな割合を占めており、年間に約2000万トン以上が廃棄されていると言われています。健食もまた、キャベツや玉ねぎ、にんじん、大根などを加工する中で発生する端材を、これまで主に産業廃棄物として扱っていました。これに対抗する形で新たに導入されたのが、環境に優しい過熱蒸煎機です。
過熱蒸煎機の特徴
この最新の過熱蒸煎機は、食品の風味や栄養価を保ちながら、わずか10秒で乾燥と殺菌が行える装置です。主な特徴は次の通りです。
1.
風味の保護と栄養価の向上
- 高温スチームを利用することで、食材の酸化や風味の劣化を防止し、栄養価は逆に高まることも確認されています。
2.
効率的かつ低コスト
- ボイラーが不要な設計により、エネルギー効率が非常に高く、連続的な生産が可能になります。これにより、コスト面でも大きな利点があります。
3.
多彩な用途への対応
- 従来、単一品目で使用されていた過熱蒸煎機を、健食では複数の野菜端材に対応させることで、より効率的な運用が実現しました。
今後の展開
健食は、今回の過熱蒸煎機を導入することにより、新たな商品として「ぐるりこ®」シリーズの開発を進めていきます。この商品は、規格外の農作物や食品加工で出た端材を利用した健康志向の食品パウダーのブランド名です。追加される用途として、ベジタリアンやヴィーガン向けの商品はもちろん、地域特性を生かした餃子など、多様な食品原料としての活用が期待されています。
企業の取り組み
「過給蒸煎機」の導入は、単なる生産効率の向上だけでなく、持続可能な環境への配慮としても重要です。健食の取締役である野口知江子氏は、食品ロス削減を通じて、地域の農産物に対する付加価値を高めることが、企業の使命であると語ります。自己革新と環境負荷の低減を進めながら、今後もお客様に求められる商品提供を実現するために努力を続けるとのことです。
この取り組み全体が、地域や社会に対する大きな影響を与えることを期待しています。今後も健食とASTRA FOOD PLANの進行する道筋に注目していきたいと思います。