埼玉発、福祉業界を変える新たな試み
埼玉県行田市に本社を置く株式会社ハートヴィレッジが提供する新しい正社員制度が、福祉業界に新たな風を吹き込んでいます。バックグラウンドとして、長年“フルタイム勤務が正社員の条件”とされてきた福祉業界において、同社は「週3日勤務でも正社員」とする制度を導入。この制度は2021年から徐々にスタートし、2024年3月1日からは週3日勤務に対応する公休210日制度が加わります。
社員が自分のライフスタイルに合った勤務形態を選べるこの制度は、利用者にとっても大きなメリット。なぜなら、働く人がイキイキと生活することで、支援の質が向上するからです。
制度の概要
この「勤務日数選択型 正社員制度」では、社員が以下の3つの勤務日数から自分に合ったプランを選ぶことができます。
- - 年間公休120日(週5勤務相当)
- - 年間公休161日(週4勤務相当)
- - 年間公休210日(週3勤務相当)
いずれのプランでも、正社員としての雇用契約や社会保険、昇給、賞与などの条件は変わりません。このように、社員が自分のライフスタイルや家庭の事情に応じた柔軟な働き方を選ぶことが可能なのです。
導入の背景
福祉業界では長らく、フルタイムでの勤務が求められてきました。しかし、同社の代表である長谷川巨樹氏は、「人生を大切にしながら働けることが支援の質にも繋がる」と考え、制度の構築に取り組んできました。
実際に、この制度導入から1年が経ち、現場では多くの職員が新たな働き方を実現しています。福祉職という仕事は心身ともに負担が大きいですが、個人の生活に合わせた勤務ができることで、日々の生活にも余裕が生まれるのです。
実際の活用事例
制度が導入されてから、職員たちは実際にどのようにこの新制度を活用しているのでしょうか。以下は、実際の職員の声や事例です。
- - 家庭の事情で週3勤務から入職し、子どもの成長に伴い週4勤務に変更した看護師
- - 配偶者の仕事に合わせ、勤務日数を適宜調整している職員
- - 心身の疲労から段階的に社会復帰を選んだ職員
- - 趣味を大切にしながら週3勤務を続ける看護師
- - 親の介護をしながらも正社員で働き続ける職員
- - 入社時に制度を理解し、210日から161日へと勤務形態を調整したケース
これらの実例は、制度がどのように実践で役立ち、職員の満足度向上に寄与しているかを示しています。
代表からのメッセージ
「辞める選択を取らなくてもよい職場を作りたい」と語る長谷川氏は、制度の設計を「働く人の人生」に重点を置いて進めてきたと述べています。仕事を続けることができる環境が整うことで、結果的に支援の質が高まり、より良いサービスを提供できるようになると信じています。
今後の展望
今後、株式会社ハートヴィレッジは、福祉職に限らず、相談員や事務員など様々な職種においても同様の制度を導入し、多様な働き方をさらに推進していく計画です。
さらに、福利厚生の拡充や、「自分の人生を大切にできる」仕組みの構築にも取り組むことを表明。全ての職員が心豊かに働ける職場を目指しています。
会社概要
- - 会社名: 株式会社ハートヴィレッジ
- - 所在地: 埼玉県行田市持田1-1-27
- - 設立日: 2019年6月
- - 従業員数: 101名(2025年5月20日時点)
- - 運営事業: 精神科訪問看護ステーション「いつき」
- - 代表取締役: 長谷川 巨樹
- - URL: ハートヴィレッジ公式サイト
このような新たな働き方が当たり前になることで、今後の福祉業界がどう変化していくのか、注目です。