投資詐欺被害の実態と回収への法的対応の重要性

投資詐欺被害の実態と法的対応

日本社会において、投資詐欺の被害は年々増え続けています。リード法律事務所が実施した「投資詐欺」に関する調査によると、調査対象の82.4%が投資詐欺のリスクを理解しているにもかかわらず、約17%が実際に被害に遭っていることが明らかになりました。これは、知識だけでは防げない巧妙な詐欺手口が増加していることを示しています。

投資詐欺の現状

調査結果では、被害者の多くが発生金額において「50〜100万円未満」が最も多く、さらに「3000万円以上」の高額被害も見られました。被害者からは「連絡が途絶えた」というタイミングで詐欺に気づくケースが多く、直接的な勧誘手段としてSNSのダイレクトメッセージやセミナー参加によるものであることが分かりました。

法的手段の検討

被害回収のために法的手段としては、民事裁判と刑事手続が考えられます。民事裁判を起こす場合、勝訴判決を得たにもかかわらず、42.9%の被害者が実際には一円も回収できていないという結果もあります。理由としては、民事裁判の実効性が薄く、加害者が裁判を無視することができるためです。

一方で、刑事告訴を行った場合、示談交渉を通じて回収できたケースでは回収率が高く、なんと9割以上の被害者が示談成立により被害額を回収しています。これは、加害者側にとって起訴を避ける心理的な圧力が強く働くためと考えられます。