SHIFTのAIを活用した人的資本経営
急成長企業として注目を浴びるSHIFTは、AI技術を活用した人的資本経営の新しい手法に挑戦しています。一般社団法人プロティアン・キャリア協会が主催したセミナー『急成長企業SHIFTの挑戦 ~AIを活用する経営の現場から~』では、SHIFTの人事担当バイスプレジデントである上岡氏が登壇し、同社の独自の人事戦略について詳しい解説を行いました。
人的資本経営の必要性
日本社会では、生産年齢人口の減少やIT人材の不足が深刻な課題となっています。SHIFTはこれらの問題を乗り越えるべく、「DX人材の大量採用」と「エンジニアの環境・やりがいを向上させる施策」を推進しています。彼らの人的資本経営は、街の経営をメタファーとして使い、市場の状況に応じた柔軟な人事施策を展開しています。
経営指標としてのLTV
SHIFTでは、人的資本経営の中心にLTV(Life Time Value)を置き、その影響を様々なKPI(退職率やエンジニア単価、評価満足度など)で可視化しています。例えば、2023年度には69億円の投資が将来的に1,043億円のLTV増加に繋がるという試算が公表されています。このように、LTVを活用することで、経営判断に科学的な根拠を持たせています。
AIによるデータの可視化
上岡氏は、LTVを最大化するために必要な「3つの違い」を強調し、以下の取り組みを紹介しました。
1.
ヒトログ :従業員のデータを450項目で管理し、個々の特徴を把握。
2.
評価会議 :役員が合計1,200時間を費やし、データをもとに従業員の評価と配置を最適化。
3.
人事施策 :従業員のライフステージに応じたきめ細かな施策を展開し、サポートを行います。
これによって、個人の成長を支えつつ組織全体の成長にも寄与しています。
AI技術の導入
SHIFTは、人事のフローにもAIを取り入れています。具体的には、以下のようなツールが活用されています。
- - Resumiru :履歴書の分析をAIが行い、書類選考の時間を短縮。
- - kitene :魅力的なオファーレターを自動生成し、承諾率を向上。
- - mentai(めん太くん) :従業員の心理状態を把握するAIエージェントを開発。
これにより、上司に言いにくい悩みも気軽に相談できる環境が整いました。
プロティアン・キャリア協会の役割
今回のセミナーは、アーカイブとしても配信されていますが、主催のプロティアン・キャリア協会は、個人のキャリア開発を支援する役割を果たしています。森氏は、心理的成功があふれる社会の実現を目指し、キャリアの考え方を従来の棚卸しから未来の構想へとシフトすることが重要と述べました。なぜなら、自らのキャリアの舵取りを行うことが、これからの時代には必要だからです。
まとめ
SHIFTの人的資本経営の取り組みは、AIとデータ分析を駆使しながら個々の成長と組織の成功を両立させようとするものです。セミナーに参加することで、今後の人事施策やキャリア開発における新しい視点を得られることでしょう。これからますます進化するSHIFTの取り組みに注目です。