地域防災ワークショップで進化する「逃げ地図」づくり
2025年の2月5日、岡山大学津島キャンパスにて地域防災ワークショップが開催されました。このワークショップは、岡山大学が主催し、地域との連携を深めながら防災力を向上させることを目指して行われました。参加者は地域住民を含む学生や教職員約20名で、「逃げ地図」を作成することで具体的な防災対策を講じようとしました。
「逃げ地図」とは、地域内の避難経路や目的地までの移動時間を色で示した手作りの地図です。参加者はまず、明石工業高等専門学校の准教授、本塚智貴氏から逃げ地図についての説明を受け、その後グループに分かれて実際に白地図に色を塗る作業を行いました。
参加者は地域の特性を活かしながら、具体的な道路や避難所に関する情報をシェアしました。「この道は普段通れるが、大雨時には危険」や「ここは高齢者には厳しい急な坂」といった知見は、地図作成において非常に価値のあるものでした。地域住民からの生の声は、参加した学生たちにとって貴重な学びの機会となり、その知見を基に議論を深めていきました。
ワークショップの最終的な成果として、各グループが協力して立派な「逃げ地図」を完成させ、最後にはそれを発表する時間も設けられました。参加者からは「実際に地図を作ることで避難経路をより深く考えることができた」「地域の人々との対話から、新たな防災視点を得られた」といった感想が寄せられました。このような活動を通じて、地域の防災意識が高まることが期待されています。
岡山大学は、今後も地域との連携を強化し、地域の持続可能性に向けた取り組みを着実に進めていく方針です。SDGsに基づいた地域の防災力向上を目指し、「逃げ地図」の普及を同大学がこれからも支援していくことを考えています。
地域と協働した防災訓練は、単なるマニュアルや知識の積み上げではなく、実際に地域住民と学生たちが顔を合わせて意見交換する中で、若い世代が防災の重要性を理解し、学び合う貴重な機会となっています。このような取り組みは、地域の災害に対するレジリエンスを高める一助となることでしょう。
地域中核・特色ある研究大学としての役割を持つ岡山大学は、今後も地域社会との共創を通じて、新しい防災のデザインを提案していくことでしょう。新たな地域の防災力向上に向けた活動にご期待ください。