岡山大学におけるヘルスケアスタートアップシンポジウムの開催
2025年4月2日、岡山大学で「ヘルスケアスタートアップシンポジウム」が開催されました。本イベントは、国立大学法人岡山大学の研究・イノベーション共創機構主催で、地域中核の研究大学としての特徴を生かし、ヘルスケア分野におけるスタートアップの創出に向けた取り組みが焦点となりました。
シンポジウムの目的と意義
シンポジウムの主な目的は、ヘルスケア分野でのスタートアップ創出に対する理解を深め、研究シーズを社会に実装するためのマッチングを行うことです。開催はホテルグランヴィア岡山にて実施され、全国から約240名が参加しました。オンライン参加も可能なハイブリッド形式で、多様な立場の方々が一堂に会しました。
開会に際し、岡山大学スタートアップ・ベンチャー創出本部の志水武史本部長が趣旨を説明し、挨拶を行いました。
様々な専門家による講演
シンポジウムでは、様々な領域の専門家が講演を行いました。最初に登壇したのは、東京科学大学の加藤浩晃氏で、「ヘルスケア事業化に向けたポイント」について語りました。加藤氏は、ヘルスケアビジネスの成功には政策理解や販売戦略が欠かせないと指摘しました。
次に、経済産業省の山崎牧子氏が、「ヘルスケア産業振興に向けた国の施策」をテーマに講演。少子高齢化が進む中での健康経営の促進や医療データの利活用について、多様な施策が紹介されました。
さらに、CYBERDYNE株式会社の山海嘉之社長が、「サイバニクス医療健康イノベーション」と題して講演。サイバニクスの重要性と制度整備が今後の社会実装の鍵であると強調しました。
パネルディスカッションでの活発な意見交換
講演の後は、パネルディスカッションが開催されました。志水本部長がモデレーターをつとめ、加藤氏、山崎氏、山海氏が登壇し、ヘルスケア・スタートアップ創出に求められる要素について意見を交わしました。加藤氏は、医療分野における規制を理解し、マーケティング視点を初期段階から持つ重要性を強調しました。
また、山崎氏はスタートアップと行政のノウハウの架け橋となる取り組みの必要性に言及し、山海氏は異分野とのコラボレーションの重要性を強調しました。
イノベーション創出に向けた展望
パネルディスカッション終了後、岡山大学の三村副学長が挨拶し、地域特性を生かしたイノベーション創出に向けた期待を語りました。シンポジウムが岡山における社会変革の一歩となることに確信を持って締めくくりました。
イベント当日は、CYBERDYNE社の装着型サイボーグ「HAL」のデモ展示や、岡山大学の研究者によるポスター展示も行われ、参加者同士の交流も活発に行われたようです。岡山大学では今後も、スタートアップやベンチャー創出のを支援する体制を進めていきます。興味のある方はぜひ相談してみてください。地域の特性を生かし、これからも岡山大学の取り組みから目が離せません。