岡山大学講演会
2025-11-13 01:31:27

岡山大学が犯罪被害者支援団体による講演会を開催、遺族の思いを伝える

2025年11月5日、国立大学法人岡山大学において、犯罪被害者支援団体「smile(スミレ)」が主催する特別講演会が開催されました。この講演は、2019年に残酷な事件に巻き込まれた京都アニメーションの遺族である渡辺美希子さんの母、達子さんと兄、勇さんを招き、彼らの想いを多くの学生たちに伝えるものとなりました。

イベントでは、達子さんが自身の体験を語りながら、特に「被害者遺族だからこう感じるはず」と決めつけないでほしいとの願いを表明しました。彼女は、自身が感じた様々な感情や辛さは、遺族それぞれが異なることを強調し、この多様性の理解が大切であると訴えました。さらに、万が一の際に誰に知らせたいのかをあらかじめ整理しておく重要性についても話し、心の準備をしておくことが有効であることを伝えました。

また、達子さんは事件後に受けたカウンセリングの支援が心にどれほどの救いをもたらしたかを改めて語り、彼女にとっての回復の道のりの一部として、その役割がいかに大切であったかを示しました。

勇さんは、アニメファンとしての自身の純な愛情が妹をその道に導き、結果として彼女の命を奪ったのではないかと自責の念に駆られたことを振り返りました。彼は、法廷での被告の「刑務所に感謝している」との発言に大きな衝撃を受け、その暴力がもたらす異常さを痛感したと述べました。さらに、彼が受けた裁判付き添い制度の利用が、精神的なダメージから持ちこたえる助けとなったことを感謝しつつ、より多くの人々がこのような支援を受けるべきだと提案しました。

講演後の質疑応答セッションでは、多くの学生たちから活発な質問が寄せられました。達子さんが、「事件直後は未来を描くことが難しく、そのためにはコーディネーターの存在が必要」との意見に賛同し、感情を整理しつつ前に進むことが如何に人を助けるかを強調する場面もありました。達子さんからは、事件に関わる思いや、社会に対するビジョンについても触れられ、時間が経ってもその影響は消えないことが伝わりました。

この講演会を通し、犯罪被害者支援団体「smile」の代表である法学部4年の杉本貴一さんは、遺族の言葉によって伝えられる人の思いや命の尊さを深く考えさせられたと語り、被害者や加害者を生まない社会の実現に向けた活動を続ける決意を表明しました。彼の言葉は、参加した学生たちに深く響いたことでしょう。

このような講演会は、ただ悲しみを伝えるだけでなく、未来に向けた希望のメッセージとして、遺族の想いをより多くの人々に繋げる意義深い試みでもありました。支援が必要なすべての人たちに向けたメッセージとして、猛毒のような社会問題に立ち向かう姿勢を持ち続け、次世代に何かが伝えられることを願ってやみません。


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