循環経営を実践する次の灯株式会社の成長とESGへの取り組み

次の灯株式会社の循環経営と成長戦略

岡山県に本社を置く次の灯株式会社は、自動車部品のリサイクルと環境技術の開発を行う企業です。2018年の設立以来、同社は「循環経営」を通じて持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めてきました。このモデルは、経済的な成長と環境への配慮を同時に達成することを目指しています。

事業成長の指標

次の灯株式会社は、売上や取引社数などの成長指標を着実に伸ばしています。設立からの売上は、1期の800万円から7期には11.3億円となり、約14.5倍を記録しました。また、8期にはさらなる成長を目指し、売上目標を20億円と設定しています。7期の成長率は133%と、企業の基盤を確実に拡大しています。

取引社数も大きな伸びを見せており、1期の451社から7期には5,171社に増加しました。これにより、販売先や廃品回収のパートナーとしての地盤が強化されています。製品のリピート率も高く、買取取引の73.67%、販売取引の55.20%が既存顧客からのものです。これらのデータは、顧客との継続的な関係を示すものであり、同社の信頼性を物語っています。

環境価値とESGへの貢献

次の灯は、環境価値を「定量指標」として開示し、具体的なCO₂削減の成果を示しています。これまでに削減したCO₂の量は1,783トンに達し、188トンの鉄素材をリサイクルしました。さらに、40,782個の廃部品がリサイクルされ、貴金属のリサイクル量も大きな数字を示しています。これにより、次の灯は単なる経済的な利益を追求するのではなく、環境への配慮を重視した事業展開を行っています。

導入企業におけるコスト削減額も重要です。次の灯の取り組みにより、多くの企業が合計で40億円のコストを削減できたと報告しています。これらの実績は、環境負荷を軽減しながらも、企業活動を行えることを証明しています。

人的資本と組織基盤

同社は、人的資本をただのコストとするのではなく、成長投資と位置付けています。人的資本に関するデータも非常に良好で、平均残業時間は月20時間、離職率は3%、平均勤続年数は3年を示しています。こうした指標は、健全な職場環境を維持し、有能な人材を育成するための努力の結果です。また、2025年にはGreat Place To Work® Institute Japanの認定を受け、企業文化の評価を受けています。