さいたま赤十字病院がRPAで業務効率化を達成
埼玉県さいたま市にある日本赤十字社さいたま赤十字病院は、医療の質向上と業務効率化を実現するため、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツール「BizRobo!」を導入しました。これにより、スタッフの業務負担を軽減し、経費削減も可能になったという成功事例について詳しく見ていきましょう。
RPA導入の背景
さいたま赤十字病院は、33の診療科と638床を有する設備の整った総合病院です。毎日、外来で約1,483名、入院で573名の患者を受け入れており、約1,500名の職員がこれに対応しています。しかし、業務量の増加やコロナ禍による人手不足が影響し、特に人事課では残業が常態化していました。そこで、業務を効率化するための取り組みが必要とされ、2023年にRPAツールの導入が決定されました。
BizRobo!の選定理由
RPAツールは多数存在しますが、さいたま赤十字病院が「BizRobo!」を選んだ理由は以下の3点です。
1.
現場主導のロボット開発: 現場のスタッフが自ら開発・運用できるため、スピード感を持った業務改善が可能です。
2.
柔軟なライセンス体系: 必要に応じてライセンスを拡張できるため、初期投資を抑えられます。
3.
実績のある商品: 他の赤十字病院ですでに導入実績があり、その効果が確認されている点も安心材料でした。
RPAの具体的な取り組み
導入後、彼らが最初に手がけたロボットは、勤怠管理システムと連動し、打刻漏れが発生した職員にリマインドを送るものでした。その後は、4~5名の事務スタッフが中心となり、自ら130体以上のロボットを開発しました。これにより、年間350時間の業務削減を達成するとともに、医療現場のニーズにも柔軟に対応できる体制が整いました。
具体的には、入院患者の「患者カード」を自動で作成・印刷する業務や、抗菌薬投与患者の情報共有を自動化するロボットが稼働しています。これまで多くの紙作業や手動での入力作業が必要だった業務が、BizRobo!によってスムーズに処理され、職員はより専門的なケアに集中できるようになりました。
経済的な利点
RPAの導入は業務効率化だけでなく、経費削減にも貢献しています。例えば、電子カルテシステムの改修にかかる費用は通常高額ですが、RPAを活用することで追加費用なしにシステム改善を図れる可能性が高まりました。これにより、医療機関としての財政面でもプラスの影響が期待されます。
今後の展望
さいたま赤十字病院では、RPA導入の成果をもとに、さらなる効率化を図り、薬剤部や看護部門にも「BizRobo!」の活用を拡げる計画です。年間1,000時間の業務削減を目指し、他の病院での成功事例から学ぶ姿勢を崩さずに取り組んでいくとしています。
まとめ
このように、さいたま赤十字病院の「BizRobo!」導入は、業務の効率化と経費削減を両立させるモデルケースとなっています。医療現場においてRPAの効果的な活用が進むことで、全国の病院にも好影響を及ぼすことが期待されています。今後の展開にも注目が集まります。