埼玉・越谷で開催『古裂と表具の展示』’25年12月開催！

埼玉・越谷で開催する『古裂と表具の展示』

イメージ豊かな古裂を肌で感じられる展示が、令和7年12月13日（土）と14日（日）の二日間、越谷市のこしがや能楽堂にて開催されます。このイベントは、地元の表具師である江原小林堂の江原望代表が手掛けるもので、入場は無料となっています。

古裂に秘められた歴史

今回の展示では、特に「名物裂」と呼ばれる織物に焦点を当てています。これらの古裂は室町時代をはじめとする歴史的背景があり、中国からもたらされた質の高い素材です。金襴や緞子、間道といった多様な種類の古裂は、当時の茶人たちによって選ばれ、名器の仕覆や茶道具の表具に利用されてきました。それぞれの裂地は独自の名称を持ち、時代を超えて愛され続けてきました。

古裂帖の魅力

古裂帖は、まるで宝箱のような存在。小堀遠州などの大名茶人たちは、古裂を残すだけでなく、仕覆や表具として活用するために、それらの端裂を集め、自らの手で大切にまとめ上げました。「文龍帖」という名の元に、彼の感性を映し出したアルバムが誕生したのです。一見無駄に思える小さな裂地でも、適切なデザインが施されることで新たな価値が生まれます。

貴重な端裂を利用したアート

展示される作品は、江原小林堂が集めた数々の端裂を使用して仕立てられたものです。煌びやかな金襴や渋みを感じさせる緞子、現代的な間道といった多彩な裂地が一つの帖に詰め込まれています。これらの裂地は、古裂を使用した時代表具として展示される予定で、古書画との相性を考慮して選ばれたものです。

選りすぐりの古裂を使用した作品としては、『詞花集切伝寂蓮』や『和歌短冊細川忠興筆』、さらに『富士江の島図画賛狩野伊川院筆』などがあります。特に、江戸時代に仕立てられた松花堂昭乗の墨竹図も併せて展示され、時代を超えた掛軸の美しさを比べることができる貴重な機会です。