岡山大学で新たな挑戦を促す講座
2025年11月2日、岡山大学にて注目のオンライン講座が実施されました。この講座には、元任天堂のWii開発者である玉樹真一郎氏が特別講師として登壇し、講師としての経験を若い学生たちと共有しました。このイベントは「おかやまテックガレージ」という、学生がものづくりや課題解決プロジェクトに自由に挑戦できる実験的な場の一環として行われています。
おかやまテックガレージは、特に学生たちが新しいアイデアを形にすることを目的に、2024年に岡山大学の自然科学系総合研究棟内に設置されました。この拠点は、社会の課題解決や新たな価値創出に向けて活動する学生チームが集まり、活発な議論やプロジェクトの進行が行われています。提案されたアイデアを実現するために、多くの学生が様々なバックグラウンドを持ちつつ集まり、学び合いながら取り組んでいます。
この日の講座は、連続プログラムの第3回目にあたります。このプログラムではこれまで、トレードオフの概念やブレイクスルーを達成する方法について学び、最後の講座では玉樹氏が「壁を乗り越える方法」をテーマに講義を行いました。玉樹氏は、任天堂での経験を通じて、人を動かすデザインやUX(ユーザーエクスペリエンス)の重要性について深く掘り下げました。特に、顧客の立場に立った仮説や実証を繰り返すことが、成功するプロダクト開発に不可欠であると強調しています。
講演の中で印象的だったのは、玉樹氏自身が過去に直面した「完璧主義」に関するエピソードでした。彼は、「全ての人が喜ぶ完璧な企画」を追求するあまり、実際には目の前の人を楽しませることができるアイデアが薄れてしまうことに気づいたと言います。そのため、彼は「まず手を動かし、実証を繰り返すことの重要性」に気づくようになり、学生たちにもその考えを伝えました。このアドバイスは、実際の経験に基づいた具体的なもので、多くの学生にとって励みになる内容でした。
講演中、参加者からの質問も多く寄せられました。「心を動かす設計について」の工夫や「学生時代の過ごし方」など、多岐にわたるトピックが取り上げられました。玉樹氏は、自身の経験を元に具体的なアドバイスを行い、学びの深さを感じさせる時間となりました。参加した学生たちは、彼の言葉によって自らの開発方法を肯定されたと感じ、大いに意気を新たにした様子です。
岡山大学では、スタートアップやビジネスアイデアの発展を図るため、今後も外部メンターによる支援や資金調達の相談に乗る体制を強化していく方針です。興味のある方はぜひ、お問い合わせいただき、岡山大学の取り組みに参加してみてはいかがでしょうか。地域中核の研究大学として、岡山大学はさらなる進化を遂げていきます。