埼玉の農業を支える新たな知識！有機農業セミナー開催

埼玉県戸田市に位置する一般社団法人農山漁村文化協会（以下、農文協）は、持続可能な農業の推進のため、最新の知識を提供する有機農業セミナーを開催します。2025年3月に発売予定の『みんなの有機農業技術大事典』の刊行を記念して、全3回のセミナーが2026年1月から3月にかけて行われる予定です。このセミナーでは、特に注目されている菌根菌の魅力に迫ります。

セミナーの背景

現在、多くの農家は肥料や農薬の価格高騰に悩まされ、気候変動による作物生育への影響も無視できません。そこで、長年の研究と実践に基づいた菌の知恵を活用し、持続的に安定した農業を実現する方法について学ぶことが重要です。土壌には何億年も前から植物と共生している菌たちが存在し、彼らの力を借りることで新たな農業のあり方が見えてきます。

セミナー内容と講師

1回目のセミナーは「ここまでわかった菌根菌の世界」と題され、植物の根に共生し、養分を供給する菌根菌の驚きの生態について、第一人者の小八重善裕教授や千徳毅研究員が詳しく解説します。このセミナーは、対面とオンラインの両方で参加可能で、定員は20名の対面参加者とオンライン参加は無制限です。

2回目のセミナー「菌ちゃん農法」では、木質有機物と菌糸ネットワークを活用した新しい農業手法が紹介されます。開発者の吉田俊道氏が自身の経験とともに、家庭菜園愛好家から支持を得ているその方法のポイントを語ります。

3回目は「土壌微生物に肥料を作らせる」ことをテーマに、自然栽培がどのように成り立っているかを杉山修一名誉教授が説明します。これにより、肥料なしでも作物が育つ理由と、微生物が働くための環境整備技術について学ぶことができます。