ITエンジニアマネジメント層の年収と人材不足についての実態調査

ITエンジニアマネジメント層の年収や採用状況

IT業界では、エンジニアだけでなくマネジメント層の人材不足が深刻な問題となっています。株式会社ラクスパートナーズによる調査によると、9割以上のリーダーシップ層が人材不足を実感しています。今回は、この調査の内容とその背景に迫ります。

1. マネジメント層の年収の実態

調査の結果、ITエンジニアのマネジメント層の年収で最も多いのが、501〜600万円ということが明らかになりました。具体的には、回答者の14.8％がこの年収帯に位置しており、次いで401〜500万円（13.3％）、601〜700万円（10.9％）と続きます。全体でも約8割が500万円以上を稼いでいるとのことです。

この年収の中央値に関しては、リーダーや課長といったミドルマネジメント層が特に高い水準になっています。しかし、CTOや経営層では収入のばらつきがあり、そのため企業の規模や業種によってデータに大きな違いが見られています。これにより、企業は役職に応じた優秀な人材を確保する困難に直面している現状を理解できます。

2. 経験年数と昇進

次に、ITエンジニアとしての経験年数についてですが、調査によれば、5年未満の経験を持つ人が全体の約28.1％を占めています。一方で、10年以上の経験を有する人も多く、特に管理職に就いている者の半数はこの条件に該当します。

重要なのは、エンジニアの経験が必ずしも管理職の役割に必要ではなく、リーダーシップや戦略的思考、組織運営の知識が重視される傾向が強い点です。この観点から、エンジニアとしての経験年数が100％の評価につながるわけではないことが伺えます。

3. マネジメント層の人材不足

調査の中で約9割の回答者がマネジメント層の人材不足を痛感していると答えています。この状況は、企業成長に対する重要な阻害要因として認識されています。

人材不足を解消するために、企業はどのような取り組みを実施しているのでしょうか。主な対策として挙げられたものの中で、最も多かったのが「年齢や経験年数に制限を設けずに採用」を行うというものでした（46.5％）。さらに、マネジメント層を育てるプログラムを開発し、マネジメント経験がない人にもチャンスを与えることが、新たなアプローチとされています。

4. 今後の方向性

調査結果から見える即時の課題は、マネジメント層の人材確保が急務であることです。企業が求める人材を育成するためには、待遇や育成支援、報酬制度、キャリアパスなどの見直しが重要です。特に若手や経験値の少ない人材に対する施策は、将来的なリーダー育成に不可欠です。

業界全体での人材難が解消されない限り、企業の成長と発展には限界が見えてきます。多様な採用戦略や育成プログラムによって、問題を解決していくことが求められています。

これらのデータや調査については、詳細を株式会社ラクスパートナーズの公式サイトからダウンロード可能です。これからのIT業界の未来に向けて、企業はどのように人材を確保し、育てていくのか、注目していきたいところです。