温かい食を被災地へ、キナリノ縁の取り組み
神奈川県大和市に本社を置くキナリノ縁株式会社が、2025年3月4日に横浜市瀬谷区と災害時の炊き出し支援に関する協定を結んだ。この協定は、フードトラックを通じて被災者に温かい食事を届けることを目的としており、横浜市としては初の取り組みとなる。
協定の概要
この協定により、災害発生時には瀬谷区からの要請で、キナリノ縁に登録されているフードトラックが派遣され、その場で温かい食事を調理・提供することができる。これにより、災害時の避難所や被災地で必要とされる栄養価の高い食事を、迅速に供給することが可能になる。食事の提供にはアレルギー表示も行われ、安全面にも配慮されている。
災害支援の重要性
近年、自然災害が多発している日本において、いつ自分が被災するか分からない状況が続いている。発生後すぐに移動して調理し、温かい食事を提供するこの取り組みは、被災者の心身のストレスを軽減し、避難生活の質を向上させる重要な役割を果たす。本プロジェクトは、日常的にフードトラックビジネスを展開している経験を生かしたもので、過去の災害時の経験から生まれたものである。
具体的な取り組み
協定に基づいて、キナリノ縁は以下のような具体的な取り組みを行う:
- - 災害時の炊き出しの提供:瀬谷区内で発生した災害時に、必要に応じて炊き出しを行う。
- - 安全安心の確保:提供する食事にはアレルギー等の表示を行い、被災者が安心して食べられる環境を提供する。
- - 防災訓練への参加:瀬谷区の防災訓練にも積極的に参加し、地域の防災意識向上にも貢献する。
背景にある思い
この取り組みの背景には、2024年元旦に発生した「令和6年能登半島地震」の経験がある。当時、混乱した状況の中で、キナリノ縁のフードトラックが現地で温かい食事を提供し、多くの被災者の心温まる瞬間を目の当たりにした。その経験が、地域とのより良い連携と持続的な支援活動を模索するきっかけとなった。今回の協定は、そのときの体験を基にした重要な一歩である。
未来に向けて
現在、キナリノ縁には140台のフードトラックが登録され、神奈川県のみならず東京都、埼玉県でも活躍している。今後は、全国展開を進めていくとともに、各自治体との連携を強化し、より多くの被災地支援を目指す考えだ。災害発生時には即座に支援の手を差し伸べられるよう、セットアップを進めていく。
会社概要
- - 会社名:キナリノ縁株式会社
- - 所在地:神奈川県大和市
- - 代表者:清水麻美子
- - 設立:2021年2月5日
- - URL:kinarinowa.jp
- - 登録台数:140台(2025年2月末現在)
- - 主要活動地域:神奈川県・東京都・埼玉県
この取り組みを通じて、キナリノ縁は地域社会への貢献を果たし、災害時にも温かい食を届ける使命を全うしていくことに貢献していく。