備前焼とデジタルの融合
2025-12-29 23:11:28

備前焼とデジタル技術が生み出す新たな創造の可能性を探るワークショップ

備前焼とデジタル技術の融合: 新たな未来を切り拓くワークショップ



2025年11月25日、岡山大学の津島キャンパスにある共創イノベーションラボKIBINOVEで、「伝統工芸×Web3で未来を創る」をテーマにしたワークショップが開催されました。このイベントは、おかやまデジタルイノベーション創出プラットフォーム(OI-Start)との共催で行われ、約20名の参加者が集まりました。参加者は学生や教職員、企業関係者、行政スタッフ、さらには岡山県立大学デザイン学部の学生など多岐にわたりました。

このワークショップは、内閣府ローカルイノベーション創出環境強化事業の一環として実施され、備前焼の新たな価値を見出すための貴重な機会となりました。イベントの冒頭では、戸板女子短期大学の川嶋比野教授が、伝統的な備前焼にデジタル技術やNFT(非代替性トークン)を融合させる新しいアプローチを紹介しました。参加者たちは、千年以上の歴史を持つ備前焼にデジタル時代の風を吹き込むこのアイデアに大いに感心し、会場には期待感が広がりました。

その後、地元の備前焼をブランディングするベンチャー企業GoodDAOの専務取締役、大富貴稀氏がファシリテーターを務め、軽快な進行の下で意見交換が行われました。小グループに分かれ、「BizenDAOを活用して備前焼をどう進化させるか?」というテーマで活発な議論が展開されました。

提案されたアイデアの中には、備前焼をDAO(分散型自律組織)として完全に運営する大胆なビジョンや、岡山市内で陶芸を楽しむためのレベル別ワークショップの開催、さらには「備前焼ソムリエ」のような格付け制度の導入が含まれていました。これにより、DAOを通じて作品に対する人気投票を行う仕組みが提案され、文化の発信と参加型価値の創出の融合が図られました。

また、「私の茶碗物語」と名付けられたプロジェクトも登場し、子どもたちが自作した茶碗を学校の給食で使い続けるという試みがNFTで記録されるというアイデアが議論されました。さらに、壊れた茶碗を修繕し、新たにアクセサリーとして生まれ変わらせる「魔法のお茶碗」構想では、修繕履歴をブロックチェーンに残すことも視野に入れられました。

このように、備前焼を取り巻く新しい価値創造のアイデアが次々と生まれ、参加者たちは「自分の意見が文化の継承に貢献することができるかもしれない」と感じる貴重な経験を得ました。参加者同士の多様な視点が交差し、特に若い世代が持つ新しい風潮が伝統工芸の未来を切り拓く可能性に気づく場ともなりました。さまざまな視点が寄せられ、新たな創造の “芽” が形成されたこのワークショップは、まさにDAOの精神を体現した経験でした。

岡山大学の取り組みは、余韻を残しつつ、次回の世代を見据えた活動として引き続き期待されます。新たに生まれるアイデアを元に、地域、大学、企業が協力して備前焼の未来を築いていく取り組みが進行中です。地域中核の研究大学としての岡山大学の活動に、今後も目が離せません。


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