訪日外国人とのコミュニケーションを強化するオンライン診療サービスの導入

埼玉エリアでは、観光客の増加に伴い、訪日外国人向けのサービスが一層重要となっています。その中でも特に注目を集めているのが、オンライン多言語診療サービス「とらほす」です。このサービスは、東武グループが運営するホテル10施設で試験導入が決まり、外国人宿泊客への新たな医療の形を提供することを目指します。

オンライン多言語診療サービス「とらほす」とは？

このサービスは、株式会社メディ・エンジンが開発したもので、主に訪日外国人向けに医療支援を行うためのプラットフォームです。対象となるのは、日本での医療機関受診が困難な外国人宿泊客。英語や中国語、韓国語など多言語に対応し、24時間体制でオンライン診療を提供します。加えて、薬の処方や配送も可能で、宿泊しているホテルにまで薬が届けられます。

なぜこのサービスが必要なのか？

近年、訪日外国人観光客の数は増加の一途を辿っていますが、残念ながら日本国内での医療機関は多言語対応が不十分です。旅行中に体調を崩された場合、日本語での診察を受けることが困難な外国人の方々からの相談が増えています。このような時に、迅速に適切な医療を受ける手助けをするために「とらほす」が重要な役割を果たします。

導入の詳細と流れ

試験導入は2025年10月27日から2026年3月31日までの予定で、浦和東武ホテル、金谷ホテルなど、合計10のホテルで実施されます。サービスの流れは基本的に簡単で、宿泊時にホテルスタッフからQRコードなどの資料が配布されます。お客様はQRコードをスキャンし、サイトにアクセスした後、自分の症状に応じた診療を申し込むことができます。診察後、必要に応じて薬の処方や対面診療の案内も行われます。

オープンイノベーションが生む新たな価値

このプロジェクトは、東武グループが推進する「TOBU Open Innovation Program」の一環であり、スタートアップ企業との協業を通じて地域医療の効率化や利便性向上を狙っています。この取り組みは、外国人観光客の健康を守るだけでなく、ホテルスタッフの業務負担軽減にも貢献します。

今後の展望

東武グループは、この試験導入を経て、効果が確認でき次第、導入を進める予定です。観光業界の変化に対応しながら、良質なサービスを提供することで、地域の価値向上にも寄与することを目指しています。これからの医療サービスの在り方として、「とらほす」は重要なステップとなるでしょう。旅行者が安心して日本を堪能できる社会を目指して、東武グループは日々挑戦し続けています。