AI時代に求められる自律型組織の構築法
2026年2月14日、一般社団法人プロティアン・キャリア協会が主催した特別対談セッションでは、ソフトバンクの人事責任者である岩月優氏と、元ソニーピープルソリューションズ代表の望月賢一氏が、AI時代に即した「自律型組織」の作り方について議論しました。このセッションは、組織がどのようにして個人の主体性を尊重しながら、全体の成長へと繋がる環境を構築していくのかというテーマで深く掘り下げられました。
人事戦略と経営戦略の一体化
岩月氏は、人材戦略と経営戦略を統合させ、企業価値を向上させるための具体的な方法を提示しました。AIの急速な発展により、企業はこれまでの経営戦略を見直し、新しい領域への進化を求められる時代です。彼は、ソフトバンクがどのようにAIを活用した人財育成のインフラを整備しているか、その実践的なアプローチを解説。社員一人ひとりが主体的に行動することが、競争力を高めるために不可欠であると強調しました。
主体性を引き出す「大人扱い」の人事
望月氏は、「社員を子ども扱いしない」人事の重要性を語り、主体性を徹底的に引き出す職場環境をつくることが、組織の成長に直結することを示しました。社員を自律したプロフェッショナルとして扱う姿勢が、「手を挙げるカルチャー」を生み出し、企業全体のモチベーションを向上させるといいます。
AI環境の整備と人財育成
セッションにおいて、特に注目されたのはAI環境の整備と、人財育成との関係です。企業はAI技術を積極的に取り入れ、自社のリスキリングプログラムを実施することが求められています。これにより、社員が新しい技術を学び、変化に自律的に対応できるようになるとともに、組織全体が新たな挑戦を受け入れられる土壌を整えていくことが強調されました。
社内副業と関係資本の流動化
さらに、社内副業やフリーエージェント制度によるキャリア自律の促進も議題に上がりました。終身雇用の時代が終わりを迎える中、社員は多様な経験を重ね、自身の価値をアップデートする必要があります。社内副業は、他部署との交流を通じて新たな人脈や知識を獲得する「最高のインターンシップ」として、組織と個人の双方にとってメリットを生む活動であると論じられました。
30%の臨界点と風土の変革
また、組織の風土を変えるためには、社員の30%以上が積極的に挑戦や学びの実践を行う必要があるという「臨界点」が提示されました。この数字を超えることで、特別な行動が職場の「当たり前」に変化し、持続可能な組織文化が形成されるとされています。経営層や人事部門の役割は、こうした行動を言語化し、組織全体に浸透させることにあると語られました。
未来のキャリア開発への挑戦
本セッションを通じて、AI時代における「自律型組織」の必要性とその構築方法が多角的に議論されました。社員一人ひとりの主体性を最大限に引き出すこと、変化に対応するための環境を整えること、また新しい人事制度を導入することで、より良い未来を創造する手がかりになると確信しています。これからの組織は、こうした取り組みを通じて、進化し続ける企業を目指していくことでしょう。