持続可能な養殖技術の共同検証
荏原商事株式会社と横沢金属工業株式会社は、持続可能な養殖を目指すために小規模循環型養殖技術の共同検証に関する覚書を結びました。両社は、それぞれの専門分野を活かし、環境浄化資材の提供や循環型社会の推進、未利用資源の活用を通じて、持続可能な社会の実現を目指しています。
企業の背景
荏原商事は東京都中央区に本社を構え、上下水道設備や揚排水設備といったインフラ分野で数多くの自治体との連携を行ってきました。また、民間施設向けには様々なプラント設備を納入し、再生可能エネルギー関連の事業も展開して、エネルギーソリューションを提供しています。
一方、横沢金属工業は埼玉県川口市に本社があり、微生物やバイオ技術を活用した生物複合養殖や培養設備の研究開発に取り組んでいます。創業から80年以上の歴史を持ち、最近では特定外来種の無痛駆除技術を開発するなど、社会課題解決への貢献が高く評価されています。このような背景を持つ両社が力を合わせることで、持続可能な養殖システムの実現が期待されます。
新たな養殖システムの実現に向けて
近年、気候変動や光熱費の高騰が農業や漁業に深刻な影響を及ぼしています。これに対処する為、荏原商事と横沢金属工業は、安定かつ安心して生産を行うための低コストな養殖設備の導入を重要視しています。両社の連携により、微生物・バイオ技術を使った環境浄化技術を駆使した小規模かつ永続可能な資源循環型の養殖ソリューションを共創することを目指しています。これによって、魚介類の養殖だけでなく、それらの餌となる昆虫や食用植物の生産も含めた一貫した循環型生産システムが構築できるのです。
具体的な検証内容
今回の検証では、荏原商事の水循環・省エネシステムと、横沢金属工業のバイオ技術を融合させます。そのテーマは「小さな地球」の実現。小規模な資源循環型システムと複合的品目の同時生育が可能なシステムを検討します。これにより、養殖の新たな可能性が広がるとともに、環境にも優しい生産方式が確立される見込みです。
今後の展望
今後、小型パイロット試験を実施し、資源の循環と複合生物の生育を検証します。生物種に応じた独自の浄化技術の提案も行い、陸上養殖の可能性を一層探求していく予定です。この取り組みは荏原商事が掲げるSDGsテーマである「技術革新による地球環境への貢献」と「地域とのパートナーシップによる強靭な環境インフラの実現」に沿ったものです。
SDGsへの貢献
今回の取り組みはSDGsの17のゴールの中で、特に食料安全保障や側面から環境保護に貢献するものとして期待されています。具体的には、飢餓の撲滅や持続可能な産業構築、気候変動への対策などが挙げられます。環境保全だけでなく、地域の経済の活性化にも寄与することができるのです。
企業情報
荏原商事株式会社
横沢金属工業株式会社
今回の協定締結は、両社にとって新たな挑戦であり、今後の展開に注目です。