NTTドコモ三社が自然資本モニタリングソリューションを開始
2026年5月28日、NTTドコモビジネス株式会社、NTTドコモソリューションズ株式会社、そして株式会社バイオームは、森林や水、大気などの自然資本の状態を可視化し、効率的に評価する新たな「自然資本モニタリングソリューション」を発表しました。この取り組みは、企業のネイチャーポジティブ経営への道を切り開くものです。
背景
近年、環境省による研究によれば、世界の経済活動の約半分は自然資本に依存しており、生物多様性の減少が急速に進んでいます。これを受けて、企業や自治体は事業活動と自然資本の関係を認識し、その影響を継続的に把握・評価することが求められています。しかし、従来は現地での調査に依存するため、手間やコストがかかるという課題が存在しました。
NTTグループとバイオームはこの課題に取り組むべく、衛星画像を用いた植生および生物に関する広域推定技術の開発を行ってきました。そして、その成果を基に、特定の地域における自然資本の状態を効率的に把握し評価する本ソリューションを公開するに至りました。
本ソリューションの概要
新たに提供されるこのソリューションは、衛星画像データを用いて特定地域の植生や生物種の状況を、広域かつ効率的に可視化・評価するICT技術を駆使したものです。具体的には、衛星画像から生成された植生推定AIと、大規模な生物データベースであるBiomeDBを組み合わせ、植生や生物種の分布・存在確率を地図上で可視化します。この手法により、従来の人手による調査よりも大幅にコストを削減し、調査の範囲を広げることが可能です。
提供される価値として、企業は自社の工場周辺などにおける自然の状態をより正確に把握し、それに対応したアクションを取ることができます。これには不動産開発や森林管理、自社のサプライチェーンの影響評価などが含まれます。
企業の具体的活用事例
このソリューションはすでにいくつかの企業で試験的に活用されています。
1. 飲料メーカーの事例
飲料メーカーでは、水源となる工場流域の森林管理と生態系保全を目的として、本ソリューションを使用しています。従来の調査法に加え、流域全体の生物多様性を把握することが可能となり、今後の他工場への展開も視野に入れています。
2. NTTドコモの実践
NTTドコモは、所沢市でのネイチャーポジティブの実現を目指し、本ソリューションを活用しています。新たに設置されたエコロジカルネットワークエリアの調査により、作業の負担を軽減しながらデータ収集を行っています。地域の企業や住民と協力し、定量的なデータに基づく生物多様性の保全活動を推進しています。
3. 都市部における取り組み
NTTアーバンソリューションズグループは、都市部における街づくりにおいても本ソリューションを活用し、生物多様性に配慮した環境づくりを進めています。具体的には、品川シーズンテラスをモデルに、周辺環境との接続性を確保する手法の検証が行われています。
未来への展開
この自然資本モニタリングソリューションは、今後も自治体の生物多様性戦略の策定支援や企業のネイチャーポジティブ経営の実践支援に繋がるとされています。NTTグループが提供するこの新たな技術は、持続可能な社会の実現に向けた強力なツールとなることでしょう。
まとめ
NTTドコモビジネス、ソリューションズ、バイオームの3社が共同で開発したこの自然資本モニタリングソリューションは、企業や自治体が持続可能な経営を実現するための大きな一歩となります。今後の発展に注目しましょう。