アイシンが京都府でグリーン水素利用の実証事業に参加

アイシンが京都府舞鶴港におけるグリーン水素普及実証事業に参加

株式会社アイシン（本社：愛知県刈谷市）は、京都府が舞鶴港国際埠頭で実施予定の「グリーン水素を活用した純水素燃料電池普及に向けた実証事業」に参画します。本プロジェクトは2025年12月1日から2026年2月27日までの期間中に行われ、アイシンは株式会社エノア（本社：愛知県豊田市）と協力して、ペロブスカイト太陽電池と新開発の固体酸化物形燃料電池（SOFC）を提供します。

この実証事業では、先に設置された太陽光発電設備とアイシンのペロブスカイト太陽電池によって生成された電力を利用し、水電解装置を動かして水素を生成・貯蔵します。生成された水素は、アイシンのSOFCを介して電力に変換され、港湾施設の照明などに供給される予定です。この取り組みにより、水素の長期保存能力を活かした防災用の電力供給の実現が期待されています。

ペロブスカイト太陽電池の特長

ペロブスカイト太陽電池は、薄型で軽量、加えて曲げることも可能な次世代型の太陽電池です。この特性により、従来のシリコン太陽電池では設置が難しい場所、例えば建物の壁面や屋根においても取り入れやすく、再生可能エネルギー拡大に寄与することが見込まれています。
アイシンは20年以上にわたる有機系太陽電池に関する研究と開発の成果を応用し、高い発電効率を確保しながら、耐久性のある薄ガラスで構成されたフィルム構造を駆使して、湾岸環境でもしっかり機能することを検証します。

SOFCのクリーンな発電システム

アイシンが提供するSOFCは、水素と酸素を化学反応させることで発電を行うエネルギーシステムです。この過程ではCO2を排出せず、非常に高い発電効率を誇ります。これまでに家庭用燃料電池「エネファームtype S」の開発で培った技術を応用し、高効率の発電を実現しています。

このSOFCの発電能力は、10kW級で、発電効率も60%以上が見込まれています。具体的なサイズは、幅1,700mm、奥行780mm、高さ1,800mmと、比較的コンパクトな設計です。

環境への寄与と未来への取り組み

アイシンは、今後も環境保護へ向けた技術開発を推進し、「“移動”に感動を、未来に笑顔を。」という経営理念の下で、持続可能な社会の実現を目指しています。本実証事業は、その一環として、水素利用の活用促進と地域の防災力強化に貢献することが期待されています。

引き続き、グリーン水素や再生可能エネルギーに関する最新情報や技術の進展をフォローし、地域社会にもご期待いただければと思います。