岡山大学が地域課題解決を目指すイベントを開催
2025年1月24日、国立大学法人岡山大学とノートルダム清心女子大学が主催する「オープンイノベーション Match Up」が開催されました。これは、産学官の連携を深め、地域が抱える様々な課題の解決を図ることを目的としたイベントです。特に、デジタル技術を用いた新たな価値創出に向けた試みが行われました。
イベントの概要
本イベントには、企業や自治体、大学の教職員、学生など、合計128人が参加。まず、オープニングトークが行われ、岡山大学の野上保之会長が「DXやデジタル技術の活用は重要だが、データ収集や活用法で苦労している現状がある。このようなイベントを通じ、内発的な動機付けが生まれ、連携が進むことを期待している」と挨拶しました。
次に、ノートルダム清心女子大学の中本幸一教授が、「IT × データ × AI と地域」をテーマに講演。デジタル社会における人材育成の重要性や、地域課題を解決する手段としてのデジタル技術の利活用について触れました。特に、デジタル人材の不足が課題であることを指摘し、具体的な解決策が求められています。
地域課題へのアプローチ
ゲストトークでは、笠岡市の栗尾典子市長が登壇。市民の幸福度を高めるために持続可能な地域づくりの必要性を語り、産学官の共創の中で実証実験を進めることの重要性を認識してもらいました。具体的な地域のケーススタディとして、参加者に課題の解決を試みるよう呼び掛けました。
イベント後半では、シーズ発信や参加企業のニーズ紹介があり、岡山大学やノートルダム清心女子大学における産学連携の具体例が紹介されました。さらにAI・数理データサイエンスセンターの嶋吉隆夫教授が座長を務めるアイデアセッションも行われ、研究者と学生が直接企業の抱える課題について議論を交わしました。これにより、新たな解決策を模索する機会が確保されました。
アイデアセッションと成果
アイデアセッションでは、小中学校の統廃合に伴う施設の有効活用や観光客の滞在時間を増やすためのデジタル支援といったテーマが扱われ、参加者は14のテーブルに分かれ議論を展開。各テーブルで出されたアイデアは、最終的に企業や自治体へ提案されました。
参加した岡山大学の学生は「企業の方々と意見交換できたことが非常に貴重で、今後も産学官の連携に関わりたい」と語りました。このように、現場の声を直接聞くことのできる機会が提供されたことは、参加者にとって大きな経験となったようです。
まとめと今後の展望
最終的に、OI-Startの安東幸恵副会長が「このような取り組みは岡山県の生産性や魅力向上、若者の県内定着に貢献することが期待される。産学官が連携してデジタル技術を活用したイノベーションの創出を目指していこう」とまとめました。今後も様々な活動を通じての共創の機会を提供していくことが宣言され、地域の中核となる大学として岡山大学の活動に期待が寄せられています。
詳しい情報については、公式ウェブサイトをご覧ください。