埼玉県入間市に新設された太陽光パネル再資源所の全貌

埼玉県入間市に、石坂産業株式会社が新たに設置した「太陽光パネル再資源所」が話題を呼んでいます。このプラントは、使用済みの太陽光パネルのリサイクルを目的としており、2025年6月2日から受け入れが始まります。石坂産業は、持続可能な社会の実現に向けて、再生可能エネルギーに対する強いコミットメントを持っています。

増加する太陽光発電とその課題

2012年に固定価格買取制度（FIT）が導入されて以来、日本国内では太陽光発電設備の導入が急速に進展してきました。その結果、太陽光パネルの数は著しく増加しましたが、これらのパネルは通常、20年から30年で寿命を迎えます。そのため、2030年代後半には大量の使用済み太陽光パネルが廃棄される見込みであり、そのリサイクルや処理が現実の課題となっています。

この状況に対処するため、石坂産業は「サーキュラーエコノミー」の実現を目指し、太陽光パネルの再資源化に取り組むことを決めました。新たに設立された「太陽光パネル再資源所」は、石坂産業にとって初めての太陽光パネル専用のリサイクルプラントであり、今後の発展が期待されています。

リサイクルプロセスの革新

今回のプラントでは、ホットナイフ分離法®と呼ばれる先進的な技術が採用されています。この技術は、約300℃に加熱されたナイフ状の刃で太陽光発電モジュールの表面ガラスを削ぎ落とし、セルシートやその他の部材と分離するものです。このプロセスにより、アルミニウムフレーム、金属部品、セルシート、ガラスがそれぞれ分かれ、リサイクル可能な原料として再利用されます。

石坂産業の代表、石坂典子は「太陽光パネルの寿命が迫る中、気軽に処理するのではなく、何よりも分離・回収の技術を真剣に取り組んで、新たな価値を創造していきたい」とコメントしています。このような姿勢が、企業のリーダーシップを際立たせています。

環境への配慮と社会貢献

石坂産業は、「ごみをごみにしない社会」を実現するため、産業廃棄物の埋立を可能な限り減少させる技術革新を進めています。この新たなプラントの立ち上げにより、耐用年数を迎えた太陽光パネルのリサイクルを促進するだけでなく、家屋の解体時に発生するその他の太陽光パネルも対象にしていきます。

「Zero Waste Design」のビジョンのもと、石坂産業は全ての地表資源が循環する社会を目指してさらなる取り組みを行っていく方針です。