調布市で始まった東京2025デフリンピックに向けた特別授業の取り組み
東京で開催される2025年デフリンピックに向け、調布市では特別授業「調布市Deafプログラム」が本年度もスタートしました。昨年度に引き続き、ケイアイチャレンジドアスリートチームからの講師を迎え、聴覚障がいについての理解を深める機会が設けられています。特に、参加したアスリートたちは自らの経験を通じて、生徒たちにデフ(ろう者)や手話についての知識を提供し、東京2025デフリンピックの応援を促進しようとしています。
プログラムの内容とデフフットサルの魅力
この特別授業では、デフフットサルを中心に進められました。デフフットサルとは、聴覚障がい者がプレーするフットサルのことで、競技中には補聴器を外すことが必須です。このため、「音のないフットサル」と称され、選手たちはアイコンタクトや手話を用いてコミュニケーションを図ります。資格のある主審が笛と旗で合図を出すことが唯一の違いです。
授業では、デフフットサルの実演や講演を通じて、どのように音の無い環境でのコミュニケーションが成り立つかを体験しました。発声を禁止し、実際にゲームを行うことで、子どもたちは普段とは異なる視点で世界を体感しました。最初は手探りでのコミュニケーションに戸惑っていた児童たちも、少しずつデフのやり方に慣れていきました。こうした体験を通じて、聴覚障がいについての理解が深まり、子どもたちの興味も引くことができたようです。
調布市の意義ある取り組み
今後、調布市では、全小・中学校を対象に希望する学校への出前授業を行う予定です。このプログラムの目的は、デフリンピックおよびデフスポーツに対する関心を喚起し、参加することで子どもたちが聴覚障がい者と接する機会を増やすことです。また、デフアスリートに対する理解も深まることを目指しています。
参加した岩渕さんは、「調布市立石原小学校の生徒たちにデフ体験をしてもらい、伝言ゲームの成功に喜ぶ姿が印象的でした。口だけで伝えることの難しさも体感され、コミュニケーション工夫の重要性を感じてもらえたのではないかと思います」とコメントしています。
ケイアイチャレンジドアスリートチームについて
ケイアイチャレンジドアスリートチームは2019年に設立された、障がいを持つアスリートたちの集団で、「日本一挑戦するアスリートチーム」を理念に掲げています。このチームには、デフフットサルやデフサッカー、ろう者柔道など、様々な競技で活躍するパラアスリートが所属し、社会貢献にも積極的に取り組んでいます。
現在、県内外で延べ3,000名以上にパラスポーツの体験を提供し、障がいに対する理解促進とともに、より多くの人々がパラスポーツに触れる機会を増やすことを目指しています。彼らの活動は、今後も広がっていくことでしょう。
最新情報やイベントについての詳細は、
公式サイトで見ることができます。これからの調布市におけるデフリンピック応援プログラムにぜひ注目してみてください。