岡山大学と岡山朝日高等学校が共催するDXハイスクール活動
2025年5月22日、国立大学法人岡山大学は岡山県立岡山朝日高等学校の依頼を受け、同校の「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」活動の支援の一環として、生徒と大学生の「対話トライアル」を実施しました。この取り組みは、探究的な学びの深化を目指すもので、特定非営利活動法人だっぴと連携し、「あなたの数年先の姿との対話」をテーマに展開されました。
この取り組みには、本学の学生団体iMSや岡山大学データサイエンス部に所属する学生5名が参加しました。彼らはそれぞれの専門性や経験を活かし、高校生との対話に向き合いました。岡山朝日高校では、主に学術探究系に所属する生徒たちが現在、個別の探究課題に取り組んでおり、今回の「対話トライアル」はその探究活動における課題設定や活動計画について相談できる場として設けられました。
参加を希望した生徒たちは、進路や学びの意義、さらには社会課題に関する意見を積極的に交流しました。たとえば、「パレスチナ問題について知りたい」といった意見や、「ブラックホールの研究をしたいが、何から始めれば良いのか」といった具体的な質問も飛び出しました。大学生たちは、こうした真剣な問いに真摯に向き合い、共に考える時間を持ちました。
この対話は、当初の2時間半の予定時間を大きく超えて続き、高校生の真剣な問いかけに応える中で、大学生自身が自らの学びや将来について深く考えるきっかけにもなりました。岡山朝日高校の吉本良弘主幹教諭は、「学校からの指示がなくてもこのような探究活動に自発的に参加しようとしている岡山朝日高生の姿勢がとても素晴らしい」と語り、今後もお互いに成長できる取り組みに育てていきたいという期待を寄せました。また、鈴鹿貴久校長は、「主体的に活動する生徒と、外部からの刺激によって成長する生徒がいる。特に後者にとっては、新たな気づきを得る貴重な時間にしてほしい」と激励しました。
今後、岡山朝日高校では、探究課題の設定支援や、3Dプリンタの活用に関するワークショップなど、継続的な支援が予定されています。さらに、県内外の高校からもDXハイスクールに関する支援が寄せられており、岡山大学は高校教員や生徒たちのニーズに寄り添いながら、学生の成長と教職員の意識改革に繋がる活動を今後も展開予定です。
地域を中心に、特色ある研究大学としての役割を果たす岡山大学の取り組みに、今後も大いに期待が寄せられています。