AI時代における「考える力」の重要性
株式会社intu(埼玉県草加市)は、AIの時代に必要とされる思考力を育むオンラインプログラム「アイディアクエスト」を2026年7月末から提供開始することを発表しました。優れた知識やスキルだけではなく、自ら考え、判断する力が求められる現代において、思考力育成はますます重要になっています。
AIの急速な普及がもたらす変化
最近、生成AIの普及により、調査や文章作成、要約など、さまざまな作業がAIの支援によって行われるようになりました。これは人間の可能性を拡げる一方で、AIに過度に依存してしまう懸念も生まれています。OECDも指摘しているように、今後の社会では批判的思考や創造性、協働力といったスキルが、AIを有効に活用するために不可欠となります。
また、世界経済フォーラムの「Future of Jobs Report 2025」においても、分析的思考と創造的思考は重要なスキルとして認識されています。したがって、考える力はもはや「あった方がいい力」から「なくてはならない力」へと進化しています。
「アイディアクエスト」の目的
アイディアクエストが目指すのは、単なる知識の増加ではありません。子どもたちが自分で問いを立て、広く掘り下げ、自分なりの答えを生み出せるようになるための「考える型」を習得することです。「なぜそう思うのか」「他の考え方はないか」「どう反対の立場から見るか」といった視点を取り入れ、思考を深めることが求められます。AIが迅速に答えを提供できる時代だからこそ、人間自身が問いを作り出し、考え、判断する力を育てることが重要です。
考え方を学ぶ機会の不足
現行の教育制度では、国語や算数、理科など多くの教科が存在しますが、思考の深め方や多様な視点から考える方法を体系的に学ぶ機会は少ないものです。結果的に、子どもたちは答えを求めることには慣れていても、正解のない問いに向き合う経験が不足しがちです。アイディアクエストは、こうした「考える経験」を意識的に増やすことを目指しています。
教えるのは「答え」ではない
アイディアクエストの授業では、一つのテーマに対して正解を求めるのではなく、さまざまな思考アプローチを用いて考えを広げていきます。例えば、理由を掘り下げたり、別の可能性を考えたり、仮説を立てることに取り組みます。このプロセスを通じて、子どもたちは自分自身の考える「型」を増やすことができます。
TQの導入
株式会社intuは、思考力を数値化する「思考指数(TQ)」を通じて、考える力を1000点満点で測定するシステムも開発しています。TQは、子どもたちの位置を把握し、思考力をトレーニングする際に役立ちます。このサイクルを通して、成長を定量的に確認できる教育体制を実現することを目指しています。
教育現場でのアプローチ
アイディアクエストのプログラムは、教育機関やスポーツ団体とも連携して展開されています。茨城県守谷市の教育スクールでは、夏の集中講座にアイディアクエストのコンテンツが導入され、U-15女子硬式野球リーグとも協力して思考力を育成するイベントが実施されています。さまざまな場面で思考を育てる文化の実施を進めています。
自分で考える力を育てる
AIが身近な存在となる現代、株式会社intuは、AIを使わない教育には戻らないと強調しています。 AIを活用しながら、子どもたち自身が「何を考え、どう判断するか」を育む必要があります。正解を覚える力だけでなく、問いを作り、情報を疑い、別の可能性を考える力が求められています。
代表の思いと今後の展望
代表取締役の齊藤利通氏は、自身の子ども時代の経験から、もっと子どもたちに自分で考える機会を与えたかったとの思いを持っています。これからの教育現場では、自分の意見を持ち、自分で選ぶ力がさらに重要だと考えています。今後、株式会社intuは、「考える力を育てる文化」を広めるため、教育現場におけるさまざまなニーズに応じたプログラムを展開していく予定です。教育、スポーツ、日常生活の中で、考える力が自然に活用されるような社会の実現を目指しています。
さらに、教育機関や団体との協力を強化し、「考える力」と「AI教育」を融合させたコンテンツも開発していく予定です。今後、教育の現場での思考力育成がますます進むことを期待しています。