家庭で選ぶ電気、学校でも選ぶ時代
埼玉県飯能市にある自由の森学園では、再生可能エネルギーをテーマにした新しい教育プログラムが導入されました。このプログラムは株式会社UPDATERと連携して行われ、高校生たちが「学校で使う電気」を自分たちの手で選ぶという画期的な取り組みです。2025年5月24日から始まるこのプログラムでは、約40名の高校生が再生可能エネルギーについて学び、実際に発電所を訪問して電気を選ぶという実践的な学習を行います。
1. プログラムの目的
「わたしたちの電気を選ぼう!」というプログラムでは、3つのステップを通じて高校生が再生可能エネルギーを体験します。まずは基礎知識を学び、次に自分たちが使用する電気を選ぶ「発電所総選挙」を行い、最後には実際に選んだ発電所を見学します。これにより、エネルギーの供給と社会とのつながりが深まることを期待しています。
2. 「みんな電力」とは
プログラムで使用される「みんな電力」は、顔の見える再生可能エネルギーを提供しています。全国の発電所のストーリーをWEBサイトで紹介し、消費者が電源を選ぶ楽しさを提供。電気料金から100円を選択した発電所に届けるサービスもあり、地域の取り組みを応援する手助けをしています。これは単なる電力供給ではなく、地域との連携を深める新しい価値を創出しています。
3. プログラムの内容
① エネルギーを学ぶ
参加する高校生たちは、まず再生可能エネルギーに関する基礎知識を学びます。具体的には、日本のエネルギー事情、さまざまな再エネの種類や課題に関する授業です。また、「みんな電力」が提供する発電所の見学もあり、実際に電気を作っている人たちに触れることで、より深い理解が得られます。
② 自分たちの電気を選ぶ
次に、選択肢となる発電所のバックグラウンドを知りながら、生徒たちが「総選挙」を通じて自分たちの電気を決定します。例えば、福島県の五下原営農型発電所、山梨県の柚ノ木発電所、栃木県のあしかがエコパワー発電所から選ばれることになります。各発電所の特徴や挑戦に触れながら、自分たちの選択がどのような意味を持つのかを考える機会です。
③ 選んだ電気に会いに行く
最後に、選ばれた発電所を訪問し、電気の作られ方や地域との関わりを学びます。現地で生産者と触れ合い、彼らの思いや活動に直接触れることで、教室の勉強以上の体験が待っています。この過程を通じて、生徒たちはエネルギーに対する関心や理解を深め、社会とのつながりを意識することができる良い機会となります。
4. 持続的な取り組み
UPDATERはこのプロジェクトを一過性のものとせず、自由の森学園との連携を継続し、環境教育をこれからも推進していく方針です。再生可能エネルギーをテーマにした教育プログラムが、次世代の人材育成だけでなく、地域社会全体の意識向上に寄与することを目指しています。
この取り組みは、単に電気を選ぶことにとどまらず、未来の持続可能な社会を築く一助となることでしょう。自由の森学園の生徒たちが、エネルギーと社会とのつながりを意識し、主体的に関わることからどのような学びや変化が生まれるのか、大いに期待が寄せられます。